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紅玉はただ働かない頭で、今の言葉を補足する言葉を待った。
Aは目をぎゅっとつむり、指を組んでいた力を強めてぎゅっと手を握ると、口を開いた。
「ずっと嫌いだった。」
補足なんかじゃない。もっと、もっと混乱させてきた。
紅玉は目の前がぐるぐるとする感覚に襲われた。
なんと言えばいい？なんと口に出せばいい？聞きたいことは沢山あるのに、全部声に出ない。喉がつっかえたように声を出させてくれない。
本当はAだってこんなこと言いたいわけじゃない。馬鹿じゃないからわかる。こんなこと、友達だと思っていた人に突然言われたら信じられなくて、死ぬほど悲しくなることくらい。
けれど、言わなくてはならないのだ。
今、今だからこそ。
これからもこの様な曖昧で一方的な関係を続けぬためには、こうするしかなかったのだ。
けれど紅玉と1度距離をとり、少し成長したAは今は彼女への極度の嫌悪感も抱えておらず、胸が傷んだ。
だからこそ、言うのには勇気がいる。
たくさん言わなければいけないことがあるのに、次の言葉が上手く出てこない。
紅玉はAがもう何も言わないと思ったのか、彼女の膝に震える手を乗せて、上半身を寄せて縋るようにAを見つめた。
「え、ね、ねぇ遊杏ちゃん、う、嘘よねだって私、、ね、ねぇ酷すぎるわ遊杏ちゃん。そ、そんなタチの悪い冗談、や、やめてよ……」
鼻がツン、として泣きそうになっても紅玉は震える声でAに否定を求めたが、Aはそんな彼女の言葉を遮るように紅玉の載せてきた腕を振り払って声を荒らげた。
「嘘なんかじゃない！！！！！！」
感情が顕になった時の人間特有の少し上ずる声。
紅玉はただその手をブランと床に落とし、目を見開いた。
我慢できずに涙が1粒こぼれた。
「本当は、、遊杏なんて名前でもない！！！」
「っ……へ？」
Aは隣の花を鷲づかんで立ち上がりブチブチッとちぎった。
「あんたにはAがあだ名とか言ったけど、あれが本名だよ！！煌帝国に引き取られた時に、幼いながらも咄嗟に嘘をついた。
あんたは本名知らないなんて友達なんかじゃないって言ってたけど、
そうだよ、私はあなたのことを友達だなんて思ったことなかった。」
立ち上がって紅玉を見下ろし、震えながらも冷静を装いそう言うA。
紅玉はただ彼女を見上げていた。
(どういうこと？ずっと、ずっと呼んできた名前は、、本名じゃなかったの？)
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氷空音(プロフ) - ももさん» ももさん！毎回コメントありがとうございます、とても励みになっています☺️頑張ります👍 (2022年3月16日 17時) (
レス) id: 5e2c75e263 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 続編おめでとうございます🎉一日に2話も出してくれて嬉しいです！無理しないでゆっくりと頑張ってくださいね！これからも応援しています‼️ (2022年3月16日 0時) (レス) @page3 id: 540177c56f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年3月14日 23時
