第116夜 転機 ページ21
バルバッド国境 煌帝国征西軍拠点基地
ザッザッザッ、と足音を鳴らし歩いてきたのは
「神官殿のご到着だ！」
ジュダルと……
「あ〜〜遅いじゃ〜んジュダルく〜〜〜ん…」
ベタァ
ジュダルの腕に抱きつくのは、背丈の小さい煌帝国第三皇子 練紅覇である。
「ね〜この国蒸し暑くな〜い？僕、こんなに汗かいちゃったよ〜」
「だったら離れて……マジ暑苦しいんだよお前！！」
「神官殿！！」
スッとそこに姿を現したのは……
「今までどちらに？連絡がつかず心配致しましたよ。」
頭を搔く煌帝国第二皇子 練紅明である。
「よお紅明。相変わらず陰気な面だな。これ遅刻のおわびな。」
ジュダルはヒョイと土産を渡す。
「？なんですか、これは？」
「シンドリア名物アバレヤリイカの燻製。」
紅覇は「なにそれ明兄みしてーっ！」と紅明の方にダバーッと駆け寄る。
「シ…シンドリア！？遅いと思えば、一体なぜそのような場所に！？」
「まあまあ…いいから行こうぜ！
お前らの兄王様が待ってんだろ？」
＿
重い雰囲気は、いつもの事なのだろうか？
息を吸うことも忘れてしまうようなその空気感に怯むことも無く、両サイドの紅覇と紅明が伏せていながらもジュダルは堂々と片手を腰にやり立っていた。
壇上には煌帝国右将軍の李青秀と、煌帝国左将軍の周黒彪が立っていた。
「「神官」よ、若を煩わせるとは何事か？」
「構わん。」
低くも威圧感のある声でそう手を挙げたのは、紛れもない……
煌帝国第一王子「征西総督」練紅炎である。
紅炎が手を挙げたことにより先程のふたりは頭を軽く提げて両側に寄った。
今ここで彼に逆らえる者など居ない。
「だが…俺を待たせたのだ……面白い手土産を持ってきたのだろうな？ジュダル。」
紅炎は幼女に見かせたら大号泣して腰を抜かすような、片方の口角だけをあげる圧を感じさせる笑みを浮かべた。
だがジュダルはちっとも怯えずにやりと笑い返した。
「ああ。「シンドバッド」に言ってきてやったぜ。
「！？」
「…なっ！？」
ありえない言葉を耳にして、流石の紅覇も目を丸くして振り返り紅明は大きく驚きを顔に浮かべた。
「ばかな……皇帝陛下の許可もなく、シンドリア…延いては「七海連合」を今敵に回すなど…！？」
だが紅炎はフッ、と少し吹き出すように笑ったあと、「ハハハハ」と珍しく大きな声で高らかに笑った。
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氷空音(プロフ) - ももさん» ももさん！毎回コメントありがとうございます、とても励みになっています☺️頑張ります👍 (2022年3月16日 17時) (
レス) id: 5e2c75e263 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 続編おめでとうございます🎉一日に2話も出してくれて嬉しいです！無理しないでゆっくりと頑張ってくださいね！これからも応援しています‼️ (2022年3月16日 0時) (レス) @page3 id: 540177c56f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年3月14日 23時
