第115夜 アリババの中 ページ18
「……！Aちゃんのアザも、呪いの反応も消えました……！」
「……A……」
アラジンが「ソロモンの知恵」により彼女のルフを助けたことによって、Aは死なずに済んだ。
まだ気絶したままだったが、心做しか穏やかな表情になった気がした。
シンドバッドは彼女の生を、命を確かめるように彼女の額に手を当てる。
(……起きたら、堕転についても、中のルフのことについても、たくさん聞かなきゃな。)
「あ、アラジンくん！起きた！？」
ヤムライハは膝に寝かせていたアラジンを見下ろす。
アラジンははっきりとした意識を持ち目を覚まして起き上がった。
「……成功したようだな」
アラジンはシンドバッドを暫く見つめると、眠るAを見て、そしてまたシンを見て微笑んだ。
「うん。」
「このまま……アリババくんも助けられるのかい？」
「いつもはとても力を使うから既に限界だけど、今回はAお姉さんの”大切な人”が力を分けてくれたから、このままやってみようと思うよ。」
「大切な人……？」
「うん……」
アラジンはまたAの先程よりもずっと顔色のいい寝顔を見て微笑んだ。
「とても優しくて、暖かくて、強いひとだった……
正に、お姉さんにそっくりな……」
そう、本当に強い生命力を感じさせる、純白のルフであった＿。
＿
ピィィ……
スタッ
アラジンはまた「ソロモンの知恵」を使い、次はアリババのルフの世界へとやってきた。
真っ白な世界。
アラジンはキョロキョロと辺りを見渡しながらも歩こうとすると、ピィ、と1匹のルフがやってきてチョウチョを止める時のように指を差し出すとそこに止まった。
その瞬間Aの時のように、ルフはポワッと滲んで頭の中に記憶が流れ込んでくる。
『てめー、あの方は大豪農のブーデル様だぞ！！』
『ごめんようおにいさん』
また指に止まる。
『バルバッドを共和制に！』
『お前と来てよかったよ』
『いえ、いいんで……』
『カシム！』
『マリアム！』
『泣くな、アリババ！』
アラジンが歩いていったその先には、黒い影が。
「……やあ…君だね？」
「……まさか直接来るとはな……」
男はフードを上げてアラジンを見返した。
呪いをかけた本人、イスナーンである。
「…………アリババくんから…出ていってくれるかい？」
「…………”そう”念じろ。それだけで私は、あとかたもなく消えるだろう。」
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氷空音(プロフ) - ももさん» ももさん！毎回コメントありがとうございます、とても励みになっています☺️頑張ります👍 (2022年3月16日 17時) (
レス) id: 5e2c75e263 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 続編おめでとうございます🎉一日に2話も出してくれて嬉しいです！無理しないでゆっくりと頑張ってくださいね！これからも応援しています‼️ (2022年3月16日 0時) (レス) @page3 id: 540177c56f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年3月14日 23時
