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わっはっはっはっ
街にアリババの笑い声が木霊する。
「や〜！社長驚いてたな〜っ！」
伸びをして楽しそうに歩くアリババの斜め後ろをAが、そのまた後ろをアラジンが歩いていた。
「あの人にゃ世話になってるから、絶対不幸にはさせねーぜ。早速、「迷宮攻略」の準備に取り掛かろう！」
そう意気込むアリババとは裏腹に、アラジンの顔は暗い。
Aはチラチラとアラジンの方を気にかけながらアリババについていった。
「食料だろー、地図だろー、ナイフも新調しようかなァ……やっぱ、冒険ってのは心が震えるよなっ！アラジン！A！」
そう笑顔で振り返ったアリババだが、後ろにはアラジンたちの姿がない。
ふともう少し後ろを見れば、そこにはアラジンと手を繋いでこちらを見つめるAと、しらーっっとそっぽを向くアラジンが。
Aの目はとても冷たい。
もちろん、アラジンが何故素っ気ないのかも十分に理解している。
逆に気が付かなかったアリババにイライラしていた。
「どした？アラジン。」
アリババはAと手を結ぶアラジンの前にしゃがみこみ手を差し伸べるが、プイッと顔を背けられる。
絶望的な顔でアリババに見上げられたAは「うわ」と声を漏らした。
「おま、Aも怒ってんのかよ？」
「私は別に……デリカシーのない男だなと……」
「はあ！？……？な、何怒ってんだよアラジン……」
「べつに。」
そう言いながらアラジンはAの手を引っ張りながら反対方向にスタスタと歩き出す。
Aもアラジンの背に合わせるため少し腰を曲げながら何も言わず引っ張られて歩く。
「何フテてんだよ……？「迷宮攻略」行きたくないの？ハラ痛いの？」
そう聞かれても首を振るアラジンを見て、アリババは頭を悩ませる。
そして助けてくれ、と込めた目でAを見つめるものの、Aはきょとんとアリババを見つめたあと、ハハ、と乾いた笑みを浮かべた。
「なんだよA！教えてくれよ！知ってんだろー！？」
「いや、知ってるけどさ……考えてみるってよりも、思い出してみるってのが最適じゃない？」
アリババと会話を交わすAにアラジンはムッと頬をふくらませ、たたっと歩くスピードを早めた。
手を握られていたAは おっ と声を漏らしながらよろめき、引っ張られる。
「あっ、わかったっっ！」
その大きな声にAは振り返り、アラジンはピタリと止まる。
「Aを紹介の仲間外れにしてたからだろ！？！？」
「は？」
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作者名：氷空音 | 作成日時：2021年1月31日 0時
