144#二重人格と双子 ページ5
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洒落た
ヴァレニエを匙で掬うA。
そんな彼女をドストエフスキーは愛しそうに眺めていた。
「手作りとは流石ですね」
『……』
Aは無言でドストエフスキーにヴァレニエを差し出す。が、瞳は彼を映してなどいなかった。
そんな様子を彼らの背後遠くから眺める男女。
アリアと憂吏は彼女達を興味深く観察していた。
「……すごいそっくり」
「アリアにね」
「ユウリに似てるわ」
「何処からどう見ても君だよね」
憂吏はそう云って苦笑するが、アリアは真面目な顔で「あんなに可愛い子を三十代と一緒にしては失礼よ」と憂吏のおでこにデコピンをお見舞いした。
「うわ
「それで、双子とかそういう話は?」
「魔人に弄られて使えていないらしい。だから云っただろう? 精神状態が影響すると」
憂吏は身振り手振りを付けながらアリアにそう云うも、彼女は首を傾げて指先を空でくるくるとしながら云う。
「でも……要するに異能として確立しないだけでしょう?」
「そう。其処なんだ。彼女は二重人格者。つまり、
身体は同じでも、思考や精神は別物。別人格。
それらは唐突に消え去る存在ではない。憂吏は其処に視点を当てていた。
「あー……凡て理解したわ。相変わらず憎たらしい程に頭が良いのね」
「誉めるのか貶すのか片方にして」
一方、静かにロシアンティーを嗜むA。
相変わらず瞳は葡萄酒色と深海色を宿している。
手作りのヴァレニエに舌鼓を打ち乍ら、目の前のドストエフスキーの耳元を見ては、直ぐにカップに視線を戻した。
「潮時ですね。アリス、行きましょうか」
ドストエフスキーにそう云われ、ヴァレニエを片付けて立ち上がると衣服整えて彼の斜め後ろについた。
「そろそろこれも返しておきます」
『
「いいえ。匣にはこれが必要ですから」
手帳を受け取ったAは足を止めた。
ドストエフスキーは彼女の方を振り返ると____
「やァ。善い喫茶処だね」
其処には太宰が居た。
Aはその太宰を見詰めて立ち止まっていたのだ。
(わぁ、修羅場よ)
(ちょっ)
145#中身は俺で、外見は私→←143#So where are they?
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綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» 何回でもコメント嬉しいです(*´∀`*) リクエストの方、承りました! 頑張って練り練りしたら番外投稿しますので、またお知らせしますね! 有難う御座います!! (2018年11月26日 21時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 綺弌さん» 改めて関連ランキング2位、御目出度う御座います!何回もコメントは失礼かなと思いリクエストは控えていたのですがリクエストよろしいでしょうか……!太宰さんと夢主ちゃんがいちゃいちゃしててそれに嫉妬する夜鳥くんお願いしたいです(夜鳥くん本当に可愛いんですよ (2018年11月26日 19時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» いつもコメント有難う御座います! 趣味とはまたすごい(笑) そろそろ書き貯めの為に少しお休みを頂こうかと考えていたりします。待って下さる読者様の為にも頑張りたいと思います。 (2018年11月26日 18時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 続編おめでとうございます!この小説を読むのが最近の1番の趣味になって来ています(笑)。更新スピードがやっぱり早くて心配ですが頑張って下さい!綺弌様を心より応援しております。 (2018年11月26日 18時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺弌 | 作成日時:2018年11月26日 11時