178#仄暗き世界 ページ39
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「A、手前すげえ上機嫌じゃねェか」
『そう見える? ふふっ……でも本当に今気分が善いの』
「A、あまり興奮しないで」
『久し振りの
ヘリに乗り込んでいた三人。
Aはとても上機嫌で夜鳥に抱き付いていた。
が、その様子は明らかにおかしい。
「……中原さん。今、Aのネジ外れてるので」
「首領か」
「まぁ……一寸色々とありまして」
「せめて
「……はい。それは、勿論です」
Aを見て苦虫を噛み潰したように顔を顰める中也。夜鳥は唯、彼女の手を握り返す事しか出来なかった。
「中原幹部、A嬢。対象を捕捉しました」
「あァ……。ほら、やるぞ。A、夜鳥」
『「はい」』
中也からAに手渡された銃弾。
二人は同じように構え、各々の異能を発動させる。
「装填」
「A、
『うん』
「重力操作」
『【冬虫夏草・“暗夜行路”】』
二発の銃弾が真下の《猟犬》を捕捉したのだ。
それは超音速狙撃であるが、射撃音は勿論無い。
条野と末広、探偵社員達が見上げる先には、
ヘリに乗り込んだ中也、Aと夜鳥が居た。
「莫迦やってんな、探偵社!」
「お父様の指示で拾いに来ました!」
Aは何も言わずに残りの数発を磁力で空中に浮かせ、完全に戦闘態勢に入っていた。
それを驚いたように見上げる探偵社員達。
『中也さん、もっと頂戴』
「ん、やるよ」
『有難う』
「ほらよ、銃撃戦だ____“重力操作”」
中也とAによって数多の銃弾が雨のように《猟犬》に降り注ぎ続ける。
そしてそれを刀で斬り伏せていく彼等。
「今だ! 掴まれ!」
中也のその一声で垂らされた綱に掴まり、その場を離脱した探偵社員達。
夜鳥は濡れた手拭いで一人一人を拭っていた。
「少しだけ拭いておきますね」
「あぁ、助かる……」
『……』
「真逆……マフィアに助けられるとはな……」
「助ける? 莫迦云え。お宅の社長が首領と取引したんだよ。救助の対価は“社員一人のマフィア移籍”だ」
社員達の顔が驚愕に染まる。
「使いやすい異能犯罪者は大歓迎だぜ。あぁ、この双子は元より此方で数えるから無しだ」
「社長が……!?」
Aは目を瞑って何かに耳を澄ませていた。
(Aちゃん……?)
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綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» 何回でもコメント嬉しいです(*´∀`*) リクエストの方、承りました! 頑張って練り練りしたら番外投稿しますので、またお知らせしますね! 有難う御座います!! (2018年11月26日 21時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 綺弌さん» 改めて関連ランキング2位、御目出度う御座います!何回もコメントは失礼かなと思いリクエストは控えていたのですがリクエストよろしいでしょうか……!太宰さんと夢主ちゃんがいちゃいちゃしててそれに嫉妬する夜鳥くんお願いしたいです(夜鳥くん本当に可愛いんですよ (2018年11月26日 19時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» いつもコメント有難う御座います! 趣味とはまたすごい(笑) そろそろ書き貯めの為に少しお休みを頂こうかと考えていたりします。待って下さる読者様の為にも頑張りたいと思います。 (2018年11月26日 18時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 続編おめでとうございます!この小説を読むのが最近の1番の趣味になって来ています(笑)。更新スピードがやっぱり早くて心配ですが頑張って下さい!綺弌様を心より応援しております。 (2018年11月26日 18時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺弌 | 作成日時:2018年11月26日 11時