176#食い込む刃 ページ37
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「それで? 我々は駅と道路どちらに向かいます?」
「両方じゃ。敵の奇策を正面から喰らい潰す。それでこそ我等よ」
「善し。では、儂と��子君は北の駅。条野と鐵腸は南の道路だ。必ず、敵に追いつけ」
「森Aを捕捉した場合はどうしますか」
「あれは幾ら我等が憎んでも法外の存在だ。まぁ……話せる余地があるのなら話してみるがいい」
「判りました」
軽く運動を済ませた《猟犬》。
任務に失敗すれば懲罰。
だが、結成以降彼等に失敗は無かった。
そして、条野と末広は南の幹線道路に到着していた。
「会敵の時まで貴方は無能です。黙って静かにして下さい。あと呼吸音と心音も煩いので極力止めるように」
条野は地面に耳を寄せ、遠くの音を探り始めた。すると、直ぐにそれを探り当てた。
「……いた。崖下距離五百。同乗者は四人から五人。西へ走行中」
「白銀の悪魔は来るのか」
「さあ? 私と会った時は酷く動揺していましたからね。マフィアの父親の下へでも逃げ帰ったのでは?」
「……でも、奴は特務課に飼われる程の異能者の筈」
森Aの真実を、《猟犬》の誰もが知らなかった。森鷗外の手中に居る今が、最も力が発揮される事も。
車で逃走中の探偵社。
すると、車内で聞き覚えの無い声が聞こえた。
「我々にも是非、教えて頂きたい。おや? 一人足りませんね。和装の少女は何処に?」
何故か其処に居たのは条野だった。
賢治が素早く拳を繰り出すが、それは難なく受け止められ、蹴りにより賢治が車外へと出された。
「行って下さい! すぐ追いつきますから!」
「ふふ……自己犠牲ですか。泣かせる人情話です」
「貴様ァ……【細雪】!!」
谷崎が【細雪】で身体感覚を乱された条野を車外へと連れ出し、道路に転がった。
「お見事です。しかし、私に幻像は通じません。態と引っ張り出されました」
「……!」
「まずは、お二人から確実に仕留めます」
末広が剣を構えた時、横から国木田の運転する車が彼を轢いて吹き飛ばした。
「誰一人見捨てん! 我が理想に懸けて!」
走る車に手を掛けた賢治と谷崎を拾い、再び道路を走って行く探偵社の逃走車。
「悪の罰せられざるあり。善の賞せられざるあり。我が刃なくして何ぞ四海の内に於いて百事の盡く、權衡を得るを望むべけんや____【雪中梅】」
猟犬が、牙を剥く。
(行くよ)
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綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» 何回でもコメント嬉しいです(*´∀｀*) リクエストの方、承りました! 頑張って練り練りしたら番外投稿しますので、またお知らせしますね! 有難う御座います!! (2018年11月26日 21時) (
レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 綺弌さん» 改めて関連ランキング２位、御目出度う御座います！何回もコメントは失礼かなと思いリクエストは控えていたのですがリクエストよろしいでしょうか……！太宰さんと夢主ちゃんがいちゃいちゃしててそれに嫉妬する夜鳥くんお願いしたいです（夜鳥くん本当に可愛いんですよ (2018年11月26日 19時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» いつもコメント有難う御座います! 趣味とはまたすごい(笑) そろそろ書き貯めの為に少しお休みを頂こうかと考えていたりします。待って下さる読者様の為にも頑張りたいと思います。 (2018年11月26日 18時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 続編おめでとうございます！この小説を読むのが最近の1番の趣味になって来ています(笑)。更新スピードがやっぱり早くて心配ですが頑張って下さい！綺弌様を心より応援しております。 (2018年11月26日 18時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺弌 | 作成日時：2018年11月26日 11時
