175#時を駆け抜ける ページ36
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「多少は……距離を稼いだか」
「国木田さん……携帯が通じません」
電波封鎖だった。
そしてこの次は物理封鎖が来る。
監視衛星、追跡犬、道路封鎖、軍用
そうなれば逃げても捕捉され、隠れても発見され、戦っても数に圧殺される事になるだろう。
「俺達五人の異能では手も足も出ん」
「A達は如何しちまったンだろうねェ」
「夜鳥の足なら普段の行動速度から考えて、車と殆ど変わらない筈……」
双子は二人で仕事をする時、あまり交通機関を使わない。
夜鳥がAを抱えて建物の上を駆け抜けるのだ。それはもう、とてもすごい
「双子も何処か別の場所で何かに巻き込まれたか」
「でも、Aちゃん特務課の特殊派遣官でしたよね?」
「そんなものは仮の姿でしかない。都合のいい道具だ。幾らあの双子でも軍警には……」
「夜鳥の頭が回ってたら、マフィアに逃げてるかもしれないけどね」
一瞬の沈黙の後、賢治が手を強く叩いて注目を誘った。賢治は握り飯を社員達に差し出し、国木田の口に突っ込んだ。
「もがっ!?」
「生きましょう、皆さん。嵐を越えて夜明けを越えて。結局僕達は、この回る地球という岩の上で、生きることをやめられないんですから」
その言葉に鼓舞された国木田は気力を取り戻し、地図を手にし、逃走経路について相談を始めた。
その頃、《猟犬》部隊でも作戦会議が行われていた。
「探偵社員は犯人追跡の本職よ。つまり連中は、我々追跡者が何をされると厭か死ぬ程熟知しておる。故に次に移動手段の確保を目論む。操作範囲の拡大により、素早く遠ざかる為にな」
一つ目は南の幹線道路。
二つ目は北の列車駅。
「隊長のご予想は?」と条野が問い掛けた時、なんと福地は勢いよく放屁をしたのだった。
「あっ、すまん。はははははは」
「私の貴重な嗅覚と聴覚を汚した罪、死で償いなさい」
一方、探偵社は結論を出していた。
「車だ」
「何故、列車ではなく車を?」
「列車は……市街に脱線し、大事故になる
国木田の提案に全員異論は無かった。
全員それに頷いたのだった。
「それで善い。それで善いンだよ、国木田。そうと決まりゃ、善は急げだ」
(Aちゃん、おいで)
(お父様……?)
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綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» 何回でもコメント嬉しいです(*´∀`*) リクエストの方、承りました! 頑張って練り練りしたら番外投稿しますので、またお知らせしますね! 有難う御座います!! (2018年11月26日 21時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 綺弌さん» 改めて関連ランキング2位、御目出度う御座います!何回もコメントは失礼かなと思いリクエストは控えていたのですがリクエストよろしいでしょうか……!太宰さんと夢主ちゃんがいちゃいちゃしててそれに嫉妬する夜鳥くんお願いしたいです(夜鳥くん本当に可愛いんですよ (2018年11月26日 19時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» いつもコメント有難う御座います! 趣味とはまたすごい(笑) そろそろ書き貯めの為に少しお休みを頂こうかと考えていたりします。待って下さる読者様の為にも頑張りたいと思います。 (2018年11月26日 18時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 続編おめでとうございます!この小説を読むのが最近の1番の趣味になって来ています(笑)。更新スピードがやっぱり早くて心配ですが頑張って下さい!綺弌様を心より応援しております。 (2018年11月26日 18時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺弌 | 作成日時:2018年11月26日 11時