155#不得手な頭脳戦 ページ16
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太宰の元に向かおうとしていた双子だったが、国木田から「会議だから出来るだけ早く戻れ」と云われ、探偵社に戻ると、敦に引き摺られて席に座らされた。
そして、ホワイトボードの資料に目を見張った。
『こっちもか……』
「最悪かよ……」
被害者の写真はどれも惨たらしいもので、夜鳥が机に突っ伏して「おえー」と云い、Aも口を押さえ乍らそれを見ていた。
『激痛植物……
「南米原産だからギンピ・ギンピでは無さそうだけど」
「Aちゃん達、物識りだね……」
「自分の骨が露出する程掻き毟った後、自ら頭を壁に打ち付け脳挫傷で死亡」
「う……」
気分が悪いこの他無い凄惨な事件が四件。
“
“
“
“
つまり、“見立て”型の連続猟奇殺人だった。
「待って下さい。殺人は四件なのに」
「その通りだ」
「五つの衰の内、“不楽本座”が未だありませんね」
「じゃあ、殺人は……もう一件起きる!?」
「起きぬ。何故なら我々が阻止するからだ。一同全力を挙げ、凶賊の企みを阻止せよ」
福沢がそう云い放った時、乱歩が反対の声を上げた。
夜鳥は顔を上げて乱歩の方を見た。
「友人の最後の言葉」
――もうじき探偵社に大きな仕事が来るが、絶対に受けるな!
――受ければ探偵社は滅ぶ!
「この仕事は断る」
「「……」」
静寂の中、Aは頭の中で
天人五衰、つまりあの二人が仕組んだ事。見立て型の事件だとして、行き着く先は何処だ。
Aは「矢っ張り頭脳戦は得意じゃない」と呟き、その場でそれ以上考える事を一旦止めた。
「仮令、我等が栄誉無き地下のコソ泥でも、この殺人を止める為に命を懸ける」
「なら勝手にすればいい!」
『あ……』
飛び出した乱歩に唖然とし乍らも、各々捜査へと動き出し、A達も太宰を探しに出た。
『競馬場だ』
「競馬? あの人そういうのやるっけ?」
『さぁ? でもいいや。馬が見れるんでしょ?』
「いや、見れるけど動物園じゃないからね」
(はい)
(――特務課の坂口です)
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綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» 何回でもコメント嬉しいです(*´∀`*) リクエストの方、承りました! 頑張って練り練りしたら番外投稿しますので、またお知らせしますね! 有難う御座います!! (2018年11月26日 21時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 綺弌さん» 改めて関連ランキング2位、御目出度う御座います!何回もコメントは失礼かなと思いリクエストは控えていたのですがリクエストよろしいでしょうか……!太宰さんと夢主ちゃんがいちゃいちゃしててそれに嫉妬する夜鳥くんお願いしたいです(夜鳥くん本当に可愛いんですよ (2018年11月26日 19時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» いつもコメント有難う御座います! 趣味とはまたすごい(笑) そろそろ書き貯めの為に少しお休みを頂こうかと考えていたりします。待って下さる読者様の為にも頑張りたいと思います。 (2018年11月26日 18時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 続編おめでとうございます!この小説を読むのが最近の1番の趣味になって来ています(笑)。更新スピードがやっぱり早くて心配ですが頑張って下さい!綺弌様を心より応援しております。 (2018年11月26日 18時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺弌 | 作成日時:2018年11月26日 11時