本性 ページ11
さつきside
私は琴音ちゃんと一緒にタオルを用意することになった。
あーあ、Aと一緒が良かったな。
まあ、私がドリンク作れないからタオルの用意なんだけど…。
ともかく!
Aにも言われたけど琴音ちゃんには気をつけないと!
「最近、さつきってAちゃんと仲いいよねぇ」
「えっう、うん」
「羨ましいなぁ、私ってあんまりAちゃんに好かれてないような感じがして」
しゅん、と寂しそうに言う琴音ちゃんが悪女にはどうしても見えなくて。
なんだか恋する女の子みたい。
「そんなことないよ!ちゃんとAも琴音ちゃんのこと好きだよ!」
なんだか可哀想で
つい、そんなことを言ってしまう。
「ありがとう、さつき!…ねえ、……今、同情した?」
「えっ」
思いもよらない言葉を言われてたじろぐ。
「ふーん、同情したんだ。…あんた如きが」
さっきの琴音ちゃんとは一変して蔑むように私を見る。
あの時の、ムッくんの時と同じ。
「ふっざけんなよ…!あんたみたいな雌豚が私に同情?はあ?ありえないんだけど」
「っ!ひどいっ」
泣きそうになってしまう。
でも、必死にこらえた。
「大体、なんでさつきがAちゃんの隣にいるの?ただでさえ南雲美雨がいるのに寄ってんじゃねーよ。Aちゃんだって迷惑してる」
「わっ私、迷惑なんてかけてないよ!」
むっとして反抗する。
そうすると余計に腹が立ったのか顔を顰める。
それでも私は続けた。
「琴音ちゃんの方が迷惑かけてると私は思うよ?だってAいつも琴音ちゃんが近くにいると困った顔してたし…」
ちょっと酷いかもしれないけど私より琴音ちゃんが迷惑をかけているのは一目瞭然だ。
「ーーっ!…許さない、許さない、許さない、許さない許さない許さない許さないっ。少し信頼を落とすつもりだったけどやめた!
ーーーーぶっ潰してやる!」
そう言うと琴音ちゃんは近くにあったハサミで髪を切る。
「きゃぁぁあああッッ!!」
私は、目の前で起こっていることに理解が追いつかなかった。
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lkwisterven - 私夢主ちゃんはみぃちゃんのことお姉ちゃんっていうかと思ってた← (2019年10月5日 12時) (レス) id: a124146768 (このIDを非表示/違反報告)
CAN(プロフ) - めっちゃ面白かったんやけど!終わりなのが勿体ないくらいに!楽しく読ませてもらいました! (2017年12月29日 23時) (レス) id: 851af0ac90 (このIDを非表示/違反報告)
セイ(プロフ) - ぽきぷりさん» ありがとうございます! (2016年10月25日 17時) (レス) id: 82a62008f8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽきぷり(プロフ) - 大分遅れましたが、お疲れさまでした。とても面白かったです。 (2016年10月25日 2時) (レス) id: bb4ca612c0 (このIDを非表示/違反報告)
セイ(プロフ) - アプリコットさん» この作品にもアプリコットちゃんがwありがとう!頑張るね!w (2016年10月19日 19時) (レス) id: 82a62008f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セイ | 作成日時:2016年4月30日 22時