JK,ホストクラブのオーナーになりました。 【歌い手】

部屋 ページ8

勢いで返事しちゃったけど大丈夫だよね。
三人ともいい人たちっぽいし、ミーティングで何か変なことが起きるとも思えないし。






ななもり「次は桜子ちゃんの部屋に案内するね。まぜ太くんとあっとくんは、また後で」

まぜ太・あっと「「お疲れ様です」」






私はまぜ太さんたちに小さくお辞儀をしてから、ななもりさんの後をついていった。
ぐねっとしたオシャレな階段を上って真っ直ぐ歩いたななもりさんは、一番奥の部屋の扉をグイっと開けた。





室内にはベットや勉強机、少し大きめのクローゼットや本棚、程よい明るさの照明、
それから床にはもこもこしているカーペットが敷かれていた。







ななもり「ここが桜子ちゃんの部屋ね。何か欲しいものがあったら、随時自分で増やしていいよ」

『ありがとうございます。ちなみに、この部屋ってななもりさんがデザインして下さったんですか？』

ななもり「いや、俺じゃないよ。もしかして、何か問題あった？」

『あ、そうではなくて！素敵なお部屋だったので、誰が用意して下さったのかなぁと思って』






私の言葉にななもりさんは「そういうことね」と言って笑った。
そして勉強机に近づき、自分の手首を上下に振って”おいで”と手招いていた。
不思議に思いながらななもりさんの手元を覗くと、”見取り図”という文字が書いてある紙が見えた。







ななもり「桜子ちゃんの隣の部屋の〈莉犬くん〉っていう子と、
　 向かい側のお部屋の〈ちぐさくん〉っていう子がこの部屋のデザインをしてくれたんだよ」

『なるほど……！』






後でお礼しないと。
そんなことを考えながら見取り図を見ていると、私はあることに気が付いた。






どうやら、私とななもりさん以外は二人部屋みたいだ。
一階に２部屋、二階に６部屋、三階に２部屋という配分になっていて、
自室だけでこんなにあるという金持ち具合を発揮している。
まぁ、見取り図がある時点でこの家がかなり広いのは確定なんだけどね。






凄いなぁと思いながら見取り図を覗いていると、突然ななもりさんの携帯の着信音が部屋中に鳴り響いた。
「ちょっとごめんね」と言って、ななもりさんは電話に出た。
私はその間に、見取り図に書いてあった犬とペンギンのイラストを見ていた。
動物たちが”よろしくね”と言っていて、何とも可愛らしい絵だった。






ニコニコしながら絵を見つめていると、電話を終えたななもりさんが「桜子ちゃん」と私の名前を呼んだ。

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