JK,ホストクラブのオーナーになりました。 【歌い手】

苺荘 ページ6

私の視界に広がっていたのは、レンガで作られた仕切りと見栄えを良くするための深緑色の柵。
それから、バルコニー＆広々とした庭付きの白くて大きい家。
花や木々も植えられていて、まさしく”お金持ち”って感じの家だ。







『ほ、本当にここなんですか？家賃払えるか心配なんですけど……』

ななもり「あぁ、その辺は心配しなくても大丈夫だよ。
　 この家自体の家賃はそれなりにするんだけど、うちは住んでる人数が多いから分割出来るんだ。
　 だから、一人一人の負担が少なくて済むんだよ」






”むしろ、他のお家より安いんじゃないかなぁ”と呟くななもりさん。
家賃の値段を聞くと、「一人、一万三千円だよ」だと言われた。
いや、高級一軒家でその値段はもはや事故物件なんよ。ちょっと怖くなってきたんだけど。







『苺荘って、大体何人ぐらいの人が住んでるんですか？』

ななもり「俺も含めて１７人かな」

『じゅっ……！？多くないですか！？』

ななもり「元々、STPRの従業員のための寮だからね」







なるほど。社員寮ならそれぐらい居て普通か。
というか、ここにJKの私が住んでもいいのかな？邪魔になっちゃいそう。
不安になってななもりさんを見ると、優しい声で「どうしたの？」と尋ねてくれた。






『STPRに何も関係ない私が、苺荘のお世話になっても大丈夫なんですか？』

ななもり「宗助さんのお孫さんだし、うちに居なきゃいけない事情もあるからね」






”事情”という言葉に、私は首を傾げた。
何だろう。特別な事情とかってあったっけ？全然心当たりがない。






ななもり「＿＿＿STPRのオーナーに勧誘しないとだから」






私は「あぁ……」と言って、呆れながら頷いた。そういう事情だったのね。
てっきり、私側に重大な何かがあるのかと思ってた。
私の微妙な反応に、ななもりさんは”あはは”と爽やかな笑みを浮かべた。





木でできた玄関の扉を開いてくれたななもりさんに着いていき、少し長めの廊下を歩いてリビングに入った。
中はオシャレなダイニングテーブルや明るい色のソファー、二階に繋がるぐねっとした階段。
そして、何インチか分からないほど大きいテレビが設置されていたり、
背丈が私(１５７ｃｍ)とほぼ同じぐらいの観葉植物が置かれていたり。
家の外観から期待できる通り、とても綺麗な室内だった。






「ー−−あれ？お客さんっすか？」

「……え、女子高生が何で苺荘に？」

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