狼 ページ43
あっと「ホストが使う”好き”は友達としての好き、
”ずっと君のことを考えてた”はお客さんとして姫のことを考えてた。
俺らは犯罪にならない範囲でこうやって仕事をしてるんだ」
そう言って、彼は「いざという時、有罪にならないようにするためにね」と付け足した。
その言葉を聞いて、あんまり理解したくはなかったけど納得してしまった。
昨夜、色恋営業は裁判にかけられるケースも多いという話を聞いた。
あの話から今の言葉の意味を推測すると、
悪い言い方をすれば訴えられたときにいつでも言い逃れ出来るようにしているということだ。
何とも言えない気持ちになりながら考え込んでいると、ななもりさんが私の名前を呼んだ。
返事をすると、彼は真剣な表情で「いい?」と言ってきた。
ななもり「___”愛してる”も言えない男のことを好きになっちゃダメだよ?」
『は、はぁ』
ななもり「特にこういう職に就いてる奴には注意してね。どんな甘い言葉でも平気で吐いちゃうから」
保護者目線で私にアドバイスをくださるななもりさんに対し、私は少し戸惑いながらお礼を言った。
何で急に私の話に飛躍したんだろうと思いつつも、実際問題本当に気を付けた方がいいんだろうなと感じた。
今の実演や昨日の仕事姿を見た限りでも、危ない雰囲気の人はそれなりにいたし。
確かになぁと考えていると、莉犬さんが「男はみんな狼だと思った方がいいよ」と呟いた。
予想外すぎる人物からのその台詞に、私は思わず”え”と声を漏らしてしまった。
さとみさんとあっとさんは大爆笑してるし、ちぐさくんとななもりさんは”噓でしょ”みたいな目をしている。
……というか、触れていいのか分かんないけどさとみさんの笑い方凄いな。
二重の意味で驚いていると、ビックリ発言をした莉犬さんが不可解そうに首を傾げた。
さとみ「マジでその通りだけど、莉犬のキャラでそれを言うのはブランディング的に大丈夫なの?」
莉犬「今は仕事中じゃないし、別にいいかなと思って」
ななもり「何か、莉犬くんには言ってほしくなかったなぁ」
本気でショックを受けているななもりを見た莉犬さんは、”えぇ……”と困惑した表情を浮かべた。
まぁ、気持ちは分からなくないかも。
私がコクンと頷くと、あっとさんは「その理論でいくと」と口を開いた。
あっと「ちぐも狼なんだ」
ちぐさ「ちょ、あっとくん?俺を巻き込まないで!?」
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雨萩さくり(プロフ) - ゆーちゃんさん» コメントありがとうございます!名前変換はストーリーの都合上、ちょっと難しいですね……。ご期待に沿えずごめんなさい💦 (12月23日 9時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆーちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します、!素敵な作品ですね!!一気読みしちゃって二周目入りました(*´꒳`*) あとよかったらでいいのですが、続編もすべて名前変換使えるようにしてくださるとありがたいです……。ワガママ言ってごめんなさい、! (12月23日 4時) (レス) @page8 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - むむさん» アハハ、のほほんとしながら読んでくださるときがあるんですねw いつも読んでくださり本当にありがとうございます! (12月19日 13時) (レス) @page49 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
むむ - 更新お疲れ様です(*´꒳`*)さくりさんの作品は本当にのほほんとして呼んでも面白いし,普通に読んでも面白いので本当に応援してます(*´꒳`*) (12月19日 12時) (レス) id: bee7f787c2 (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ホントだ!全然気付かなかった、教えてくれてありがとう(笑) (12月18日 17時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨萩さくり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時:2023年10月18日 7時