JK,ホストクラブのオーナーになりました。 【歌い手】

実演 ページ41

１階に降りてリビングに入ると、さとみさんと莉犬さん、それからあっとさんとちぐさくんが待機していた。
その面々を見て、私は本当に肩身が狭くなった気がした。
そう＿＿＿。数時間前にお風呂で遭遇してしまったピンク髪の男性がいるのだ。
気まずさ８割・申し訳なさ２割の思いで私は軽く頭を下げた。









ソファーに座ることを勧められたので言われた通り腰を掛けると、
ななもりさんが「今から、ホストクラブの基礎知識を実演を交えながら説明するね」と言った。
……なるほど。わざわざ部屋を移動したのはこういうことだったのか。
納得しながら”はい”と返事をしてお礼を言うと、最初は代表的な営業法について教えてくれた。










ななもり「色んな種類の営業方法があるうち、スタンダードな二つを教えるね。
　 まずは”友達営業”、通称”友営”から」









そう言って、ななもりさんはちぐさくんとあっとさんに視線を流した。
その視線を受けた二人は無言で頷き、私の前の椅子に腰を下ろした。
すると、あっとさんが地声より２トーン高い声で「ねぇねぇ」と話し始めた。
癖の強い声で女声の出そうとしてるあっとさんを見て、私は一瞬吹き出しそうになってしまった。
皆さんにバレないよう必死に笑いを抑えていると、ちぐさくんが明るい声で”どうしたの？”と尋ねた。









あっと「最近、職場の後輩がクソ生意気でさ。仕事は雑だし時々ため口で話してくるしでホント最悪」

ちぐさ「うわ、それ嫌だなぁ。せめて仕事は真面目にやってほしいよね」

あっと「そうなの！働いてるんだから自分の仕事ぐらいはきちんとやれって話」








生々しい会話だな……。でも、実際こんな感じの愚痴を話してくるお客さんがいるんだろうなぁ。
そんなことを考えていると、ななもりさんが「これが友営だよ」と教えてくれた。
そして「楽しくお喋りすることもあれば、こうやって愚痴を聞くときもある」と言って後、
「まさに”友達”でしょ？」と付け足した。私は確かにと共感しながら首を縦に振った。
友営の実演をしてくれていたあっとさんたちは切りのいいところで上手く話を終わらせた。










ななもり「二人ともありがとう。じゃあ、次はさとりーぬで”色営”についての説明をお願い」

莉犬「オッケー！」

さとみ「……あぁ」








そう返事をした後、莉犬さんたちはちぐさくんたちと場所交換をした。
色恋営業の実演、か。どんな感じになるんだろ。

種類→←赤面

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