赤面 ページ40
私を認識したさとみさんは本気で嫌そうに顔をしかめ、小さく「最悪……」と呟いた。
そうですよね。これは流石に私に非があります。
全力で謝りながら勢いよく頭を下げた。素早く浴室から出て扉を閉めると、思わず床に座り込んでしまった。
ヤバい。絶対この世から抹消される。太平洋とかに沈められる。
青ざめながら手で顔を覆っていると、ガチャッと扉を開く音が聞こえた。
ちょっと待って服着るの早くない?まださっきのこと処理出来てないんだけど。
そんな私の思いも空しく、タオルで髪を拭いているさとみさんと目が合った。
何て声を掛けていいのか分からず沈黙を貫いていると、本日二度目のため息をつかれた。
半泣きになりながら”ごめんなさい”と零すと、呆れたように「さっさと風呂入れば?」と言われた。
コクリと頷くと、彼はそのまま立ち去って行った。
私は赤面しながら再び浴室に足を踏み入れた。……忘れよう、うん。私は何も見てない。
そう言い聞かせて、私はシャワーを浴びた。
大体全身を温めてからタオルで体を拭いて、持ってきた服に着替えた。
荷物を持って急いで自室に向かい、パタンと扉を閉めた。
ふぅ〜と一息をついて服を床に置き、私は鞄からノートを取り出した。
___さてと。とりあえず、経営についての勉強でもしとくかな。
オーナー候補の身として、このまま無知でいるわけにはいかない。
将来のためにもなるし、予め色々調べておこう。
そんなことを考えながら、私は1時間ぐらい集中してメモを取っていた。
少し疲れ始めたのでうーんと腕を伸ばしていると、自室の扉がコンコンと叩かれる音が聞こえた。
反射的に”はい”と返事をすると、「桜子ちゃん、ちょっといい?」と尋ねられた。
”どうぞ”と答えると、ゆっくりと扉が開いた。
ななもり「今時間ある?桜子ちゃんに教えておきたいことがあって」
『あ、はい。大丈夫です!』
私はノートを閉じて、シャーペンを筆箱にしまった。
テーブルの置いてあったものをささっと片付けると、
ななもりさんが「作業の邪魔しちゃってごめんね」と申し訳なさそうにしていた。
ちょうど区切りも良かったし、集中も途切れちゃってから問題ないですよ。
そう返答すると、ななもりさんは安堵したようにニコッと微笑んだ。
ななもり「なら良かった。じゃあ、1階に行こっか」
そう言って、ななもりさんは歩き出した。
ー−−何をやるのかな?
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雨萩さくり(プロフ) - ゆーちゃんさん» コメントありがとうございます!名前変換はストーリーの都合上、ちょっと難しいですね……。ご期待に沿えずごめんなさい💦 (12月23日 9時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆーちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します、!素敵な作品ですね!!一気読みしちゃって二周目入りました(*´꒳`*) あとよかったらでいいのですが、続編もすべて名前変換使えるようにしてくださるとありがたいです……。ワガママ言ってごめんなさい、! (12月23日 4時) (レス) @page8 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - むむさん» アハハ、のほほんとしながら読んでくださるときがあるんですねw いつも読んでくださり本当にありがとうございます! (12月19日 13時) (レス) @page49 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
むむ - 更新お疲れ様です(*´꒳`*)さくりさんの作品は本当にのほほんとして呼んでも面白いし,普通に読んでも面白いので本当に応援してます(*´꒳`*) (12月19日 12時) (レス) id: bee7f787c2 (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ホントだ!全然気付かなかった、教えてくれてありがとう(笑) (12月18日 17時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨萩さくり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時:2023年10月18日 7時