JK,ホストクラブのオーナーになりました。 【歌い手】

貞操観念 ページ37

”そうなんですね”と驚きの声を上げると、
「稼げる日とそうじゃない日の波が激しいですからね」とまひとさんが返してくれた。
もちろん本職の人もいるけど、ホストのお仕事だけじゃ生計が成り立たない人は副業をやってるみたい。
なるほどなぁと首を縦に振りながら、私はさっきまで悩んでいた事とは別にある疑問が浮かび上がった。







てるとさん達と一緒に帰るってことは、彼らが私服に着替えるのを待たなきゃいけないってことだよね？
そうなった場合、私はどこで待機してればいいんだろう。
更衣室から出てしまえばお客さんたちに見つかってしまうし、だからと言ってここに残るわけにもいかない。
うーんと頭を抱えていると、まひとさんがタイミングよく「僕たちも着替えさせてもらいますね」と言った。
私は焦った気持ちを隠しながら、”どこで待っていればいいですか？”と質問を投げた。










てると「普通に更衣室の外で待機してても大丈夫だと思いますよ」

『でも、それだとお客さんに見えてしまいませんか？』

まひと「意外と死角になってるので、変に目立つ動きとかしなければ特に問題はないんじゃないかなぁと」









そうだったのかと思いながら頷き、私はいそいそとドアの方に向かった。
すると、私の背後で「あ、それか」と何かを呟く声が聞こえた。
”後ろを向いてくだされば、全然ここで待って頂いてもいいですよ”と、
まひとさんが他意のなさそうな純粋な笑顔で言ってくれた。










『いや、流石にそれは色んな意味で申し訳ないというか……』

まひと「あぁ、僕らは人前で脱ぐの慣れてるんでその辺はご心配なさらず！」

『え』

てると「まひちゃん、その言い方だと盛大に誤解与えるから。僕らが変態みたいになっちゃってるから」








思わず体を一歩引かせると、てるとさんが「違うんですよ」と言って弁明してくれた。
どうやら、STPRではお客さんに自分の体の筋肉を見せるというサービスをやっているらしい。
正直何がいいのかはあんまり理解出来なかったけど、意外と盛り上がるんだとか。
私は”へぇ〜”と言いながら相づちを打った。









まひと「他のホストクラブでは枕営業とかもやってるみたいだけど、うちはそういうの禁止だよね」

てると「その代わり、定期的に謎の露出イベントやらされるんですよね」








貞操観念はきちんとあるのに裸は当たり前のように見せていくんだ。
よく分からないなぁと思いつつ、私はコクリと頷いた。

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