副業 ページ36
まだそれなりにお客さんがいるのに私だけ退勤していいのかと思いつつも、
現状STPRの最高権力者であるななもりさんの言葉だから有難く受け取っておくことにした。
私はお礼を言ってから二人に”お疲れ様です”と挨拶をして更衣室に向かった。
仕事着から私服に着替えて帰る準備を大体終わらせたところであることに気が付いた。
ー−−あれ?これどこから外に出ればいいんだ?
正面玄関から行ったら人の目についてしまうし、かと言って他の道を知っているわけでもない。
まぜ太さんの服をお借りしたまま外に出るしかないのかなぁ。
いや、そもそも従業員が帰宅するときにお客さんが出入りする玄関って使っていいんだっけ?
どうしようと頭を悩ませていると、更衣室の扉がコンコンとノックされる音が響いた。
反射的に大きな声で返事をすると、「入ってもよろしいですか?」という質問が聞こえた。
”大丈夫です”と応答すると、ゆっくりと扉が開かれた。
そこには水色の髪に紫の瞳している方と、薄い桃髪の緑色の目をしている男性がドアの前に立っていた。
確かこの人たち、めちゃくちゃショタボだった人だ。
そんな認識をしつつ、私は「ここの更衣室使いますか?」と尋ねた。
「あ、いえ!社長から柚木桜子さんを苺荘まで送ってほしいと言われたので……」
「流石に、こんな夜遅くに女子高生を一人で帰らせるのは危険ですからね」
私の問いに水色髪の人が答えてくれた後、桃髪の人が付け足した。
なるほど。言われてみれば、夜の歌舞伎町を一人で歩くのはかなり怖いかも。
お言葉に甘えて、お二方に苺荘まで送って頂くことにした。
”ありがとうございます”と頭を下げると、彼らはニコッと笑って”いえいえ”と言っていた。
「___それと、一応自己紹介もしておきますね。僕はてるとです。お昼は洋服屋の店員をやってます」
「僕はまひとって言います!ちなみに、ホストとレストランのウェイターの仕事で掛け持ちしてます」
私は二人の言葉に軽く目を見開いていた。
ホストの人って結構お金を稼いでるイメージあったけど、実はやり繰りしていくの大変だったりするのかな。
そんなことを考えていると、私の思考を読み取ったのか、てるとさんがアハッと口角を上げた。
てると「……このホストという職業って、割と副業としてやる人も多いんですよ。
だから、他の仕事と兼任して生活を送っている人も少なくないんです」
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雨萩さくり(プロフ) - ゆーちゃんさん» コメントありがとうございます!名前変換はストーリーの都合上、ちょっと難しいですね……。ご期待に沿えずごめんなさい💦 (12月23日 9時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆーちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します、!素敵な作品ですね!!一気読みしちゃって二周目入りました(*´꒳`*) あとよかったらでいいのですが、続編もすべて名前変換使えるようにしてくださるとありがたいです……。ワガママ言ってごめんなさい、! (12月23日 4時) (レス) @page8 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - むむさん» アハハ、のほほんとしながら読んでくださるときがあるんですねw いつも読んでくださり本当にありがとうございます! (12月19日 13時) (レス) @page49 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
むむ - 更新お疲れ様です(*´꒳`*)さくりさんの作品は本当にのほほんとして呼んでも面白いし,普通に読んでも面白いので本当に応援してます(*´꒳`*) (12月19日 12時) (レス) id: bee7f787c2 (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ホントだ!全然気付かなかった、教えてくれてありがとう(笑) (12月18日 17時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨萩さくり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時:2023年10月18日 7時