意外 ページ33
そんなアドバイスをくれた後、ななもりさんは手に持っていたワインボトルを軽く揺らした。
「お酒は飲まないように気を付けてね」と注意して、彼は自分のお客さんの元へ足を向けた。
しばらくその歩く姿を見つめてから、そっとため息を零した。
今の状態のそうまさんには近づけないし、かと言って他のホストさんの方へ行くのも躊躇われるし……。
どうすればいいんだろうかと頭を悩ませていると、”そこの見習いホスト”と私を呼ぶ声が聞こえた。
キョロキョロと辺りを見回すと、腕を組みながらこちらを睨みつけているさとみさんの姿が視界に入った。
まるで魔王のようなオーラを放つさとみさんに慄いていると、低い声で「来て」と言われた。
太平洋とかに沈められるのかなと想像していると、彼は「……今から」と不服そうな声を出した。
さとみ「___俺と一緒に接客してもらう。俺も色営専門だけど、今日の姫はそこまでガチ恋じゃないし」
嫌そうにしながら、そう宣言するさとみさん。
そこまで拒否反応出るなら別の人と交代してもらった方がいいのでは……って思ったけど、
同じ色営担当であるそうまさん&あっとさんが取り込み中だから、
この人がやるしかなかったのだということを察した。
”分かりました”と言って頷くと、さとみさんは黙って歩き出した。
空いている席が見えると「ここで待ってて」と指さしてどこかへ去ってしまった。
猫背にならないように気を配りながら端っこの方に座っていると、さとみさんが女性を連れて戻って来た。
今回のお客さんは、二重と綺麗に整っているボブが特徴の方だった。
立ち上がって”初めまして”と声を掛けると、彼女は静かにペコっと頭を下げてくれた。
さとみ「この人は
ピンク髪の人が射殺しそうな勢いで熱い視線を送られたので、
私は心臓が飛び出しそうになりながら名前を名乗ったをした。
そして、ボブの女性は小さな声で自己紹介をしてくれた。結構大人しい方なのかな?
何か、こういう方が色営専門のホストを指名するって意外かも。
人は見掛けによらないなと思っていると、
さとみさんが「こいつ、酒は飲めないけど気は良い奴だから。是非仲良くしてやって」と言って微笑んだ。
その言葉に驚いて目を見開いていると、”あ?”みたいな目で一瞥された。
え、二重人格?めちゃくちゃ怖いんですけど……。
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雨萩さくり(プロフ) - ゆーちゃんさん» コメントありがとうございます!名前変換はストーリーの都合上、ちょっと難しいですね……。ご期待に沿えずごめんなさい💦 (12月23日 9時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆーちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します、!素敵な作品ですね!!一気読みしちゃって二周目入りました(*´꒳`*) あとよかったらでいいのですが、続編もすべて名前変換使えるようにしてくださるとありがたいです……。ワガママ言ってごめんなさい、! (12月23日 4時) (レス) @page8 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - むむさん» アハハ、のほほんとしながら読んでくださるときがあるんですねw いつも読んでくださり本当にありがとうございます! (12月19日 13時) (レス) @page49 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
むむ - 更新お疲れ様です(*´꒳`*)さくりさんの作品は本当にのほほんとして呼んでも面白いし,普通に読んでも面白いので本当に応援してます(*´꒳`*) (12月19日 12時) (レス) id: bee7f787c2 (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ホントだ!全然気付かなかった、教えてくれてありがとう(笑) (12月18日 17時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨萩さくり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時:2023年10月18日 7時