空気 ページ26
そう言い残し、ななもりさんは小走りで目的の場所に向かった。
言葉が出てこなくて沈黙してしまっていると、ころんさんが「なーくんって凄いでしょ」と聞いてくれた。
私はさとみさんやるぅとさんと話すななもりさんを見ながら、ゆっくりと頷いた。
ころん「……あの人は口だけじゃないんだよ。沢山の苦労を超えてきた上で伝えてる言葉なんだ」
”マジでなーくんには頭が上がらない”と冗談交じりに彼が呟くと、
莉犬さんが優しい目をしながら「ころちゃんはななもり教の信者だもんね」と口にしていた。
それを聞いたちぐさくんが、「俺も、もりさん教に入ってます！」と嬉しそうに笑った。
ころん「てか、そういう莉犬くんも僕らの仲間でしょ？」
その質問に対し、莉犬さんはほんの一瞬戸惑った表情を浮かべてから”そうだね”と微笑んだ。
……今、少しだけ莉犬さんの纏う雰囲気が変わった気がする。
直感的にそう感じたけど、探ろうとしたときには先程と同じような明るい空気に戻っていた。
何だったんだろうと思いつつも、この場で触れるわけにはいかず、私はそのまま黙ってしまった。
すると、離れた場所で従業員さんと話していたななもりさんが「そろそろ開店で〜す！」と声を掛けた。
ついに来たかと心臓が飛び出すんじゃないかってぐらい緊張を高めていると、
ちぐさくんが”しばらくはまだ姫来ないから大丈夫ですよ”と心配そうに言ってくれた。
心に彼の優しさを沁み込ませながら、私はペコっと頭を下げた。
莉犬「いつも、大体３０分ぐらいしてから姫が来店し始めるって感じかな。
ちなみに今日俺たちが相手をする姫もそのぐらいの時間に来る予定」
『りょ、了解です』
半分泣きそうになりながら頷くと、
莉犬さんが”こういうときこそ、リラックスだよ〜”と言って私の肩をマッサージしてくれた。
細いからあんまり力なさそうって思ってたけど、意外にも気持ちよかった。
”おぉ……”と思わず声を漏らすと、「実は、こういうの結構できちゃうんだよねぇ」とクスクス笑っていた。
目を閉じながら肩もみを味わっていると、ころんさんが「じゃあ、僕も仕事してくるわ」と言って立ち去った。
ゆっくりとまぶたを開くと、目の前には忙しそうに動く従業員さんたちの姿が見えた。
ボーッとしながらその様子を見ていると、さとみさんがこちらに近づいているのが分かった。
本能的に危機感を感じ、私はピンと背筋を伸ばした。
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雨萩さくり(プロフ) - ゆーちゃんさん» コメントありがとうございます！名前変換はストーリーの都合上、ちょっと難しいですね……。ご期待に沿えずごめんなさい💦 (12月23日 9時) (
レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆーちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します、！素敵な作品ですね！！一気読みしちゃって二周目入りました(*´꒳`*) あとよかったらでいいのですが、続編もすべて名前変換使えるようにしてくださるとありがたいです……。ワガママ言ってごめんなさい、！ (12月23日 4時) (レス) @page8 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - むむさん» アハハ、のほほんとしながら読んでくださるときがあるんですねｗ いつも読んでくださり本当にありがとうございます！ (12月19日 13時) (レス) @page49 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
むむ - 更新お疲れ様です(*´꒳`*)さくりさんの作品は本当にのほほんとして呼んでも面白いし，普通に読んでも面白いので本当に応援してます(*´꒳`*) (12月19日 12時) (レス) id: bee7f787c2 (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ホントだ！全然気付かなかった、教えてくれてありがとう(笑) (12月18日 17時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年10月18日 7時
