JK,ホストクラブのオーナーになりました。 【歌い手】

洋服 ページ18

まぜ太「俺の仕事着でよかったら貸しましょうか？
　 ちょっとデカいだろうけど、最近はオーバーサイズの服も流行ってますし問題ないと思います」





その提案にななもりさんが”いいの？”と確認すると、まぜ太さんは快く頷いてくれた。
ご本人曰く、予備の服を何着か持っているらしい。お言葉に甘えて、私たちは洋服を借りることにした。
「ちょっと待っててください」と言って、まぜ太さんは早々とこの場を去った。
その後ろ姿を見ていると、突然ななもりさんがパンっと手を叩いた。







ななもり「営業前のミーティングはこれで終わりにします。各自準備に取り掛かるように」






その声を合図に、従業員さんは「はい！」と大きく返事をして作業に向かっていた。
ー−−薄々感じてたけど、ななもりさんがオーナーでも成り立つのでは……。
経営に関して素人の私でも分かる。この人は、かなり経営に向いていると思う。






そんなことを考えていると、後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
声がした方に視線を向けると、まぜ太さんが手招きをしていた。
駆け足で向かうと、小さなテーブルとソファー、それから教卓のようなものがある部屋に案内された。
”ここは……？”と尋ねると、「社長たちが会議に使う部屋だよ」と教えてくれた。







まぜ太「更衣室は他の人も使うから、秒速でここで着替えてほしい」

『わ、分かりました』






私は言われた通り、急いで渡された服に着替えた。
彼が持ってきてくれた服は、チェックのセットアップ。
茶色と黄色の可愛いデザインで、まさに”あざとい”感じの雰囲気を出している。
スマホのカメラ機能で自分の姿を見てみたけど、さっきよりは似合っていると思った。






大体の準備を終えたところで、
私はドアの前で待ってくれていたまぜ太さんに「着替え終わりました」声を掛けた。
入っていいかと聞かれ、私は緊張しながらyesと答えた。
ドアの向こうからまぜ太さんの姿が見えたと思ったら、いきなり「６０点かなー」と点数を付けられた。
思わず”はい？”と聞くと、まぜ太さんはそこに座ってと言ってソファーを指さした。






不審に思いながら腰を掛けると、まぜ太さんはポーチから髪ゴムやくしを取り出した。
驚いて目を見開いていると、彼は私の後ろに回って「俺、本業は美容師なんだよね」と呟いた。






まぜ太「＿＿＿俺の手にかかれば、どんな子でも変身させられるから。まぁ、気楽に任せて」

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