JK,ホストクラブのオーナーになりました。 【歌い手】

怒り ページ13

The・イケボといった感じの声＋長い黒髪にグリーンメッシュが所々入った男性、
それからピンク色の髪に緑色のカラコンを入れているショタボの男性が反対の声を上げた。
めちゃくちゃ正論だ。私も首をブンブンと縦に振った。






ななもり「宗助さんがぶっ飛んでるのはいつものことでしょ。それに、俺は桜子ちゃんなら出来ると思ってるよ」

「ー−−その自信はどっから来るわけ？意外と経営戦略術を持ってたり、凄い実績があったりするの？」

ななもり「ごめん、さとみくん。その辺に関してはほぼ未経験に近い」






”さとみ”と呼ばれた青色の目にピンク髪の男性は、低い声で「ふざけんな」と呟いた。
怒りを抑えながら言葉を発しているのが分かる。
私は心臓をバクバクさせながら今にも喧嘩を始めそうな二人を見つめた。







さとみ「ホスト経験もない、経営知識もない。こんな奴(ガキ)にオーナー任せるとかありえねーだろ」

ななもり「……自分が世間から外れたことをしようとしてるのは分かってるよ。でも」

さとみ「”でも”じゃねーよ！オーナーならなーくんがやればいいじゃん。
　 いくらじぃさんの願いだからって、俺たちが無理に叶える必要はない」






言葉は厳しいけど、さとみさんの言う通りだ。
誰がオーナーはやるかはSTPRの人たちの自由だし、
そもそも経営経験がない未成年をホストクラブのオーナーにするなんて無茶苦茶すぎる。







ななもり「＿＿＿確かにこれは俺と宗助さんの我儘だから、みんなが無理に受け入れることはしなくていい。
　 だけど、チャンスを与えてほしいんだ」

るぅと「チャンス、ですか？」






るぅとさんの復唱に、ななもりさんはコクンと頷いた。
そして周囲をゆっくりと見回した後、ななもりさんは私の目をじっと見つめた。






ななもり「期限は１か月。桜子ちゃんには、この期間に仮オーナーをやってもらいたい。
　 制限時間内にみんなを納得させることが出来たら、本当にオーナーに任命したいと思ってるんだ」






突然話を振られ、私はビックリして目を見開いた。
しかも、初耳なことを口にしている。き、聞いてないんですけど……。
すると、ななもりさんは私たちに向かって深く頭を下げた。





ななもり「ー−−お願いします。俺たちに、チャンスをください」

ころん「……何で、そんなに桜子ちゃんに拘るんですか？もりさんなら、自分でお店を回せますよね？」

ななもり「それは＿＿＿」

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