第五十訓 ページ1
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結局座学が終了したあとも晋助が戻ってくることも、小太郎が来ることもなかった。
別に2人が来ないことが可笑しい、というわけではない
今までだって家の事とか正式に在学してる講武館という士族の寺子屋に顔を出してたりで来ないことはあった
ただ晋助が近くまで来ていたのに来なくなった、というのがやはり気掛かり。
銀時はどうだか知らないが、少なくとも私は剣術の授業になってもボーッとしていて
素振りとか、やることはちゃんとやっていたはずだけど流しながらやっていたんだろう…記憶にないや
そんな感じで時間だけがすぎていて塾生達は帰っていて残った私と銀時の2人試合が始まった。
先生も部屋にいて私と銀時の2人だけになった夕暮れ時の道場
前に他の塾生に銀時と私、または銀時と晋助がやってる時は特に激しく音が鳴るから
どちらか2組が試合や打ち合いをしている時は分かりやすいと言われた事を何となく脳裏に思い出した。
初めて晋助が道場破りに来て以来銀時との試合はかなり頻繁に行われていたため
なんとなく今日も来るだろうなんて思っていたのに拍子抜けもいいところ。
むしろ来ないことに違和感すら感じるようになったのは一体、2人の何試合目の頃からか。
銀「はぁはぁハァハァ溜め息ばっか、やかましいんだよ」
「ぅっわ、」
気持ちが他所に行っていたせいか、易々と一本取られ
カランと乾いた音を立てて私の竹刀が床に転がる
夕暮れに照らされた銀時の顔は何故か拗ねたように見えて思わず首をかしげてしまう
年上のはずなのに分かりやすい表情にいつもの事ながら「子供みたい」と思うが、口にしたら面倒なので胸の内に押し込む
「だってさー…」
銀「あーはいはい、さっきも聞いたわ。」
見かけたのに…と続けようと思ったが確かに先程既に伝えた。
伝えたところで「気にしすぎだろ、お前は過保護な母ちゃんか」と流されてしまったけど。
私も自分でそう思うし気にしないようにしてるけれど
銀時は知らないが私はその前々日…一昨日にあのボンボン共とやり合ってる
その火の粉が晋助に降りかかる可能性もなきにしも…だし
「明日は来るかなー…」
銀「アイツのこと気にしすぎだろ」
「安心しなって、ちゃんと銀時にも構ってあげるからさ」
ケラケラ笑いながらポンポンと頭を撫でるように軽く叩いた
直後ブチッと何か音がした気がする。
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寧々 - 文章のひとつひとつが丁寧で全体的にとても綺麗な作品だな、と思いました…。初めの頃より少し髪が伸びましたね。この先も彼女の成長を見ていきたいです。 (2023年3月22日 18時) (レス) @page46 id: 64f7a4220b (このIDを非表示/違反報告)
りゅーり - 久しぶりにこの作品読み返しまた!更新楽しみにして待ってます! (2022年8月11日 23時) (レス) id: ccd8abd8be (このIDを非表示/違反報告)
睡-スイ-(プロフ) - 峰さん» コメントありがとうございました。コメントがあると戻らねば、と思うので多忙でも更新欲が湧き、励みになります。短く真実のみの原作を私なりに夢主の視点で広げてまいりたいと思いますのでゆっくりお待ちください (2022年5月26日 23時) (レス) id: 7433db5bad (このIDを非表示/違反報告)
峰 - 面白いです! (2022年4月4日 0時) (レス) @page41 id: 3035439a9e (このIDを非表示/違反報告)
睡-スイ-(プロフ) - こっぺぱんさん» お待ちくださりありがとうございます。遅くなりましたが再始動していこうと思います!それでもゆっくりな更新となりますがどうぞお付き合いいただければと思います!! (2021年10月4日 19時) (レス) id: 7433db5bad (このIDを非表示/違反報告)
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