僕の声、君を救うため。【あほの坂田】 (ページ1)

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きページ1

ゆき「あ、Aいたぁ！一緒に帰ろ！」

『…うん。良いよ。』

また、誘われた。苦しいと思うなら、断れば良いのに。

でも断ったら、何を言われるか分からない。だから合わせなきゃ。
…………違う。ただ、言う勇気が無いだけ。怖いだけ。

もう何度目だろう。こう思うのは。ゆきちゃんだって、帰る人はいるのだ。

何故そこまで、1人を嫌う？群れていないと、誰かと居ないとダメ？分からない。自分がそうしてこなかったから。

この気持ちを晴らしてくれるのが幼馴染の坂田優。
優の歌は格別。嫌な気持ちやモヤモヤした気持ちが吹き飛ぶ。

いつも私は、優に助けを求めてしまう。情けない。
自分でどうにかできないからそうなってしまう。

ゆき「どうしたの？行こうよ」

『ごめん。行こっか』

学校から出る時に、優を探す。

門から出たら、優の姿を見つけた。

私は口パクで＂また、歌って＂と伝える。
そう言った時、優はいつも眉を下げるけどニコッて笑う。＂OK＂の合図だ。

ゆき「あ、さわもいるから。…さわ‼帰ろっ」

さわ「うん！Aいるんじゃん(ﾎﾞｿｯ」

『…………』

せめて、聞こえないように言ってよ。聞こえてないと思ってるなら大間違い。
馬鹿だね、この距離なら聞こえてもおかしくないのに。

…………それを分かっててわざと言ってるのか。

ごめんね、優。私は助けを求めるしかできないみたいです。