3.初めての痛みと吸血と ページ7
赤髪の男と似たような靴の音に私は叫ぶ。
｢た、助けてくださいっ！お願いします、助けてください！！｣
必死の思いで起き上がり、拘束具を外そうと手と足を動かすものの、ガチャガチャと音が鳴るばかりである。
低めのハスキーな声で鼻歌を歌いながら私の目の前に現れた男の人は手にランプを持ち、私のことを見るなり舌なめずりをした。
すべての顔のパーツが美しく整えられているため、造形されているのかと疑ったがそれは全く違っていた。
だが、それほどにまで精巧されている顔が薄暗い中でもよく分かった。
｢おっ。女？｣
｢せやで〜めちゃくちゃ可愛いねん！｣
赤髪の彼が親しげに話すものだから私は怖気づいてしまった。
そのままズルズルと体を引きずるようにして壁へと逃げるが、立って歩いている彼らとは体の自由がまるで違う。
私が居る部屋は部屋と呼ぶには些か問題がある場所で。
壁も地面も冷たいコンクリートでできており、部屋を仕切るものは囚人が入るような鉄格子のみ。
地下室に鉄格子、と言う犯罪臭しかしないその場所にいることから私のこれからは絶望しかないのだ。
｢お〜こんなに脚出しとって危機感無さすぎやんな｣
｢ひっ、｣
壁に背を付けて、逃げる場所なんて存在しなくなった私を追い詰めるかのような姿勢を取る紫の彼に悲鳴のような声が小さく出てしまう。
｢俺らにはそんな怖がる姿もご褒美にしか見えへんで｣
｢まーしぃ、俺先に行って皆集めとくから遊んどってええよ｣
｢おーう｣
赤髪の彼が一階へと上がったことに安心したのも束の間。
紫色の髪をした｢まーしぃ｣と呼ばれた男の人が私の足にそっと手を添える。
すぅっとふくらはぎから閉じた内腿へと手を滑り込ませて来ることに、ピクリと肩が揺れる。
｢ぅわ、｣
｢何その声。そそるわぁ｣
ニヤリと口角を上げて、力一杯に閉じている筈の私の足をいとも簡単に広げて行く。
どうしよう、と考える暇もなく私の背中の熱をコンクリートの熱が奪って行き始めることが分かった。
男の力と女の力では圧倒的な差がある。
私は為す術なく床に押し倒されてしまっていた。
これは、まずい。
私の右足を持ち上げ、そのままちゅ、ちゅ、とリップ音を立てて口付をして行く。
厭らしく私の事を見るその姿は嫌で嫌で堪らない筈なのに、どうしようもなく妖艶で艶麗に感じてしまう。
思い切り足を振り上げようとしたその時。
彼の口は私の内腿へと達していて。
ガブリ、と鋭い牙が私の肌に突き刺さった。
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ちょこ - 終わってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！ (2021年6月8日 18時) (
レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - 皇咲鈴音さん» びっくりしました誰かと思いました笑 みかんさんありがとうございます！本当嬉しいです大好きです（；；） (2020年10月28日 23時) (レス) id: 9beb0497a0 (このIDを非表示/違反報告)
皇咲鈴音(プロフ) - すごい名前になってますがTwitterのみかんです( めっちゃめっちゃ内容好きです！！ (2020年10月28日 22時) (レス) id: 72e21fad30 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃ(プロフ) - 物語の構成が好みすぎました！！更新おまちしております！！！ (2020年3月27日 16時) (レス) id: c45d7c6a24 (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - nanaseさん» そのように言って頂き嬉しいです…！コメントありがとうございます！更新頑張ります…！ (2020年3月8日 6時) (レス) id: 7dc015f2ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鎖座波
| 作者ホームページ：もう既に血が足りない
作成日時：2019年10月19日 15時
