お姉ちゃんなんて……【一ノ瀬トキヤ】【うたプリ】

憎い ページ47

『ト……キヤ…？』

ギュッと抱き寄せる手に力を入れたトキヤ
苦しいくらい力を入れて
でも、心地よくて、安心できる

ト「私は貴方が好きなんです…貴方も、貴方が作る曲も…」

『トキヤ…？』

突然の告白に驚きを隠せない
私があんなにも恋い焦がれていた、叶わない恋だと思っていた人物に告白されたのだから

ト「貴方が作る曲には、七海さんの作る曲にはない魅力があります……七海さんが作る曲が聞く人を幸せにする曲なら、貴方の作る曲は、聞いた人の心に寂しさを…苦しさを…そして、優しさを訴えかけるような曲なのです……それが貴方の作曲の才能なんです」




『私の…才能…？』









．









私は常にお姉ちゃんを基準に見られた

お姉ちゃんのような作曲家になる事しか求められなかった
期待されなかった


才能なんて勿論無いと思った

お姉ちゃんはもっと高テクニックを持っているから

人を幸せにするような曲


どれも私は到底及ばないと思った



だって私は……そんな感情持ってなかったから






作曲の才能なんて、夢見過ぎたのかもしれないって、何度も思った





そんな私に…音楽の……作曲の才能があるって…トキヤは言ってくれてるの…？
私を……七海春歌の妹じゃなくて、七海Aとして、見てくれているの…？




ト「辛い時は、1人で抱え込まないで下さい……
私が貴方を守ります、私が支えます…だからどうか、いなくならないで………そして…………」







．








「もっと、私に貴方の曲を歌わせて」

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