Curse of the Mirror ──鏡の呪い──

花びら十八枚目　Place where one can be oneself　──自分らしくいられる場所── ページ19

「──雷。私からこの子を『かわりもの』に推薦したいのだが…」

「あーそういうことか。ちなみに理由は？」

「殺人をしたことがあり、住む場所も無く、更には判断力と行動力に優れている。
　君が求めていた『かわりもの』の理想に近いのではないかね？」

「理想って…私はただ、居場所がない者に居場所を作ってあげたいと思ってるだけだが…」

「殺人鬼集めてるのは悪趣味な気がするけどな」

私が口を挟むと雷が言った。

「よく考えてみろ。居場所がない奴っていうのは、人から認めてもらえない奴のことだろ？
　だったらその確率が一番高いのは殺人鬼……そうだと思わないか？」

「まぁ、そうだけど…」

「現にお前も、殺人を犯したから住む場所がないんじゃないか？」

「……うん」

「じゃあ悪趣味じゃないだろ？」

そう言って雷はニコッと笑った。

「人は皆、自分らしくいられる場所が無いとダメなんだ」

それだけ聞くと、いい人のように聞こえる。

でも、多分だけど雷も殺人鬼のはずだ。

だから実はなんだかんだ言って、似たような奴らと群れたいだけなんじゃないか、と思う。

堂々と振る舞えない人間こそ群れたがるし。

……まぁ、私も人のことは言えないか。















※雷さんをバカにしたわけではないです。

　あくまで警戒心強めの頃の狂花の意見です。

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