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私の意識が無くなってしまったら。
人間、死ぬまで耳は機能しているんだって。
だから、さかたんさえよければ私にいろいろな話を聞かせて？
この際、今までずっと言えなかった秘密とかさ。
2人だけのこと、いっぱいいっぱい話そうよ。
******
「おはよう、A。今日もきたで。」
返事をせずに、すやすやと眠り続ける彼女の横に座る。
彼女の意識がなくなったのは、事故から10日が経った朝だった。
いつものように、話しかけても起きない彼女にさすがに取り乱した。
…それが昨日の話。
覚悟というものは存外できていたのか、それともショックで何も感じなくなったのか。
恐ろしいほどに今の自分はこの状況を受け入れてしまっている。
「今日は…そうやな、俺が歌い手やって話したときの話でもしよか。」
俺が歌い手活動をしている事を話したのは、俺らが付き合ってすぐのことやった。
付き合ってからこんなことを言うのはずるいかとも思ったが、どうやら俺が歌い手していることを
彼女は知っていたらしい……友達の影響で。
「まさか、ライブにも来たことあったなんて知らんかったわー…しかもこたぬきって。」
そう、その友達がうらさん推しだった為なのか。
Aから歌い手として初めて出てきたのはうらさんの名前だったのに
少なからず嫉妬していた、俺やって気づいてたなら坂田家でもえぇやん…な？
「でも、俺って確信してからのライブはいつも坂田家やったな〜」
関係者パス渡そうか？って何回も聞いたが、自分で当てたのがいいといった彼女は
いつもこたぬきの友達と一緒に来てくれていた、頑張って見つけてはファンサしたもんな。
「春と夏はライブツアーでいろいろ寂しい思いさせたなぁ。」
付き合って最初の頃は見事にツアーが被って、会えない日が続いて。
寂しい思いばっかりさせて。夏ツアーの合間に大ゲンカして。
「俺な、欲張りやから。全部やりたかったんよ。でも1番大切なのはAやから。」
そのことに気が付いて、帰ってからすぐAの家に行って謝って。
ホンマ、色々あったなぁ………
「最期まで、ずっと一緒におるからな。」
ポタリ、ぽたりと彼女の頬に涙が零れ落ちるが彼女は起きる気配も見せない。
このまま、眠るように逝ってしまうのだろう。
お別れの時間はもうすぐそこだ。他に彼女にできること…何かないやろか。
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や-さん(プロフ) - 涙がとまりません…とても素晴らしい作品です!! (2019年5月22日 3時) (
レス) id: ec5ca44496 (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - ボロ泣きしました…悲しくて悲しくて涙止まんないのに所々キュンキュン所あってまたすぐ悲しくなって後半は泣きっぱなしで読んでました…素晴らしい作品ありがとうございました…！ (2019年5月20日 11時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
Elice(プロフ) - 関西風しらすぅ@坂田家さん» 蒸しタオルのせて何とか回復してください…！こちらこそ読んでいただきありがとうございました！ (2019年5月19日 2時) (レス) id: 2363fe1fb7 (このIDを非表示/違反報告)
Elice(プロフ) - ゆきさん» 感動していただけてよかったです、ありがとうございました！ (2019年5月19日 2時) (レス) id: 2363fe1fb7 (このIDを非表示/違反報告)
Elice(プロフ) - 三日夜 雪璃さん» そう言っていただけて嬉しいです、読んでいただきありがとうございました！ (2019年5月19日 2時) (レス) id: 2363fe1fb7 (このIDを非表示/違反報告)
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