インド旅行は知っている

カフェテリアでの話(2) 〜アーヤside〜［30］ ページ36

ゴホン。

しばらくして、居心地が悪くなったらしく若武が咳払いした。

「依頼人は言いたい事、他にあるか？」

皆がアサを見る。

彼女は考えて、言いたい事をまとめてるみたい。

「今日は私のワガママに付き合ってくれてありがと。
ご存知の通り、私は卒業したらインドへ行きます。
皆に会えて嬉しかった。
また会いたいとも思います。
だから忙しいと思うけど、もし…良かったら、インドに遊びに来てね！」

笑顔で話してくれた。

インドか…。

遊びに行ってみたい…けど海外だし、遊びに行けないな…。

でも待って、

「本当に行っていいの!?」

アサは、大丈夫だよ〜と手を振った。

「私ね、すっごくインド行きたくなかったから、決まった時に交渉したんだよね。
それで、友達何人か招待しても良いって許可もらったんだ。」

微笑んでるけど、裏に壮絶な闘いを感じる…。

「諸君、何か依頼人に質問はあるか？」

若武が皆を見回す。

すると、おずおずと小塚君が手を挙げた。

「大した事ない質問だけど…麻美ちゃんはインドのどこに行くの？」

さすが、シャリの小塚っぽい質問だなぁ。

「ニューデリーだよ。」

「そっか。ニューデリーって確か、北の方で首都だよね。」

「よく知ってるね。私なんて、ニューデリーって場所、知らなかったし。」

アサが感心してる。

「僕、行ってみたいな。インドは行った事ないし。」

「あ、そうなんだ〜。」

「いや、インド行った事ある小学生なんてそんなにいないと思うけど。」

上杉君がツッコむ。

「でもシャリの小塚だし、あり得るかなぁって。」

アサが言うと上杉君は納得し、そのまま衝撃の言葉を放った。

「あぁ、そういう事か。……俺も、インド行ってみたい気持ちは少しある。」

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