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カフェテリアでの話(2) 〜アサside〜[35] ページ41

「私だけだよね…。」

戸惑ったようにアーヤが私たちを見る。

「ごめん、行けない…。皆、楽しんできて。」

辛そうな笑顔からは、せめて笑顔で送り出したいという気持ちが滲んでる。

でも、涙目だよ…。

「インドで女子が私1人なんて心細いし、一緒に旅行しない?」

「一緒に行こうよ、アーヤ。」

「行くんだったら、皆一緒に行きたいんだ。」

「アーヤと一緒に行きたい。」

「お前だけ抜けるなんて…、嫌だ。」

皆が口々に言うけど、アーヤは首を振った。

「私だって行きたいよ、皆と一緒に旅行したい!でもね、行けないと思うから…。」

あ…、そっか。気付かなくてごめん…。

「ごめん、アーヤ。
中学生だけで海外旅行させるなんて普通の女の子の親は許してくれないよね…。
うちの親だって、普通だったらそう言うよ、今回が特別なだけで。」

「大丈夫…。うん、そういう事。」

アーヤは頷く。

「やっぱりそうだよね…。」

「そっか…。」

「そういう事か…。」

皆の表情が暗くなる。

しかし、黒木君だけは艶やかな瞳をアーヤに向けた。

「そういう事なら、俺がアーヤのお母さんを説得しようか?」

「え?」

アーヤが呆気に取られる。

嘘、黒木君そんな事できるの!?

私もびっくり。

でも、黒木君ならできちゃいそうだよね。

「君と一緒に行きたいから、俺に説得させてくれない?お姫様。」

耳元でそう囁かれたアーヤは真っ赤に!

「ちょっと、アーヤが口説かれてるよっ!」

「おい黒木、ずりーぞ!」

「アーヤ、真っ赤になってる!」

それにしても、『君と一緒に行きたい』って!

『お姫様』って!

どこのロマンス小説のお姫様!?

こんな事を現実に言う人、いたんだねぇー…。

気が遠くなりそう。

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希緒 - 楠なーさん» ありがとandこれからも宜しくd(ゝ∀・*)ネッ☆ (2017年6月2日 18時) (レス) id: 6b330cfe2f (このIDを非表示/違反報告)
楠なー - 希緒さん» りょーかいです!頑張れandこれからもよろしく( *´艸`) (2017年6月1日 11時) (レス) id: 7164bf1d64 (このIDを非表示/違反報告)
希緒 - 楠なーさん» ありがと(*´∀`*) でも、取り敢えず自分で頑張ってみよっかな お手上げになったら宜しくお願いします(笑) (2017年6月1日 0時) (レス) id: 6b330cfe2f (このIDを非表示/違反報告)
楠なー(プロフ) - 続編の行き方教えましょうか? (2017年5月29日 0時) (レス) id: 20b5ed2b90 (このIDを非表示/違反報告)
楠なー(プロフ) - 希緒さん» 普通に尊敬するよー。だからコメントも評価もしたし。ありがとう! (2017年4月30日 22時) (レス) id: 20b5ed2b90 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:希緒 | 作成日時:2015年10月18日 4時

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