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『うーん、わからん。さっぱりわからん。』
とりあえず解読するのは諦めて、おとなしく なにかが起こるのを待った。
3分――
5分――
10分――
だいたい15分ぐらい経った頃だろうか。
机の上にポンッと美味しそうな〈ステーキ〉が現れた。
とても美味しそうだ。
しかし本能が「絶対に食うな」と拒んでいる。
だが、私の左手はスデにフォークを掴み、ステーキに腕を伸ばしている。
右手はナイフを握っており、私の体はステーキを食べる気満々だった。
ギコギコ、とナイフを上下に動かすが、肉が中々切れない。
よほど硬いのだろうか、食べるのやめてやろうか。と思ったとき、やっとナイフが皿についた。
口に肉を近付けると、微かに焚き火のような匂いが鼻をくすぐった。
しかし、同時に酷く血生臭い悪臭も届いてきた。
『おえっ……』
思わず
――勢いに任せ、肉を飲み込んだ。
『――!?』
なんだこれ
すごく まずい
喉にどろっとした液体がこびりついている
切りにくかった割には 水分が多くぐにゃぐにゃになっていて気色悪い
切った〈ステーキ〉の断面からは赤い布のようなものが飛び出ている
『ぅっ……オ゛ェ……ッ…………』
吐きたくても なぜか吐けない。
そして、私の両手は〈ステーキ〉を切り始めている。
ナイフが皿に当たる音がした。
『え゛っ……なにこれ……!
もういらな……っ……ェ゛……』
手が勝手に動く。
涙でぐしゃぐしゃになった顔で 頑張って口を閉ざすが、右手はグイグイ肉を押しつけてくる。
――ツルン、と 口に肉が入った。
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森(プロフ) - 推しの命は私の命さん» 本当に細かいところまで閲覧されてますね!? 嬉しいですッ!まだまだ隠し要素あるのでぜひ探してみてください!笑 こちらこそグラッツェです!! (10月22日 23時) (レス) id: 3d0e2fd390 (このIDを非表示/違反報告)
推しの命は私の命 - お、恐ろしすぎる…細かく見たらアヴドゥルや花京院の服が入ってたり、ポルちゃんのメニューに一部欠損有りって書かれてたり…他にもイギーの砂とか、承太郎の死んだ場所(オーシャン、海)とか…もう夜寝れません…。でも好きです。素敵な作品グラッツェ (10月22日 21時) (レス) @page7 id: 0046fb2d1c (このIDを非表示/違反報告)
森(プロフ) - ゆっくりさん» たまにはこういうのも書きたかったんですよね笑 ゆっくりさんは「引力」を信じるか? グラッツェです!! (9月18日 17時) (レス) id: 3d0e2fd390 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり - えっえぇぇ…こんなに怖くてぐろなのにどうしてこんな見ちゃうのか… いつもおふざけしてる(失礼)方のはずなのに…でもどんな話でも引き込まれるのは森さんって感じがしますッ これからも応援してます! (9月18日 13時) (レス) id: dfbd8ef158 (このIDを非表示/違反報告)
森(プロフ) - さくらさん» リアルで食っちゃった感じです笑 「生きて腸まで届く」という意味では生きてるんじゃあないですかね…(?) コメントディ・モールトグラッツェ!! (8月31日 0時) (レス) id: 3d0e2fd390 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:森 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/morisann1/
作成日時:2023年8月25日 3時