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「38.2......」
完全に風邪をひいた。
あーぁ、学校休むしかねえ......。
Aに会いたいのに......。
ピンポーン、とチャイムの音が鳴る。
俺は重い足取りで玄関に行き、ドアを開ける。
驚く人物がそこにはいた。
「A......!?」
「おはよう、一ノ瀬くん」
彼女のAが、腕を組んで仁王立ちでいた。
「ああ、大丈夫よ。私と一ノ瀬くんは休むと先生に言っておいたわ。一ノ瀬くん、風邪をひいているのでしょう?」
「あ、ありがとう......」
色々言いたいことはあるが、今は喋るのが精一杯だ。
それに気づいたのか、Aは、
「とりあえず部屋に行って横になりましょう」
と言った。
部屋に行き、俺はすぐ横になった。
「コンビニで色々買ってきたわ。薬とマスクとゼリーと......あと、フルーツとか」
「ん、ありがとう......」
「とりあえず、薬を飲みましょう」
Aは、コップに水を注ぎ、手に薬を乗せ、僕に渡してきた。
だ、だるくて起き上がれない......。
「ごめん、A......飲ませてくれない?」
「はあ......全くしょうがないわね、こんなことしたくないのだけれど。しょうがない、しょうがない」
Aは、薬と水を口に入れ、僕に口移しをしてきた。
──え。
「ん、うぅ......な、何、を......」
「何って、飲めないんでしょう?口移しをしただけよ」
は、恥ずかしい......!
俺は枕に顔を埋ませた。
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作者名:あああああ | 作成日時:2018年12月25日 13時