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つづき ページ42

Y「んぉ、明るくね?」
昨日の夜に来た、海辺に着いた。

辺りは先程部屋から見た景色よりかは幾段明るくなってきていて、夜明けが近いことを告げているようだ。


藍「も少しで日が昇りそうだ」
お互い、携帯は持ってきてはいるけれど、いじろうとはしない。
今この瞬間を、瞬きすれば変わってしまうこの時間を、一瞬でも見逃すまいと、食いぎみに見つめていた。

あと少しでも動いたら朝になる。

そんな緊迫してような空気が敷き詰められているような空だと思った。
朝なのか、夜なのか、どう形容するべきか分からなかった。

月はまだ夜であると主張をするように、まだ「昨日」を続けようとするように、必死で耐えているようだ。
太陽はもう朝であることを主張をするように、もう「明日」が来ていることを告げるように、ゆっくりと、しかし確実に上り詰めてきている。



藍「きたッ!」
ずっと、月を見つめ続けていたゆーまに教えるように、太陽が上がる瞬間を見続けていた俺が叫ぶ。
ゆーまが俺の声に反応して東側を見る。

そこには水平線からじりじりと太陽が昇ってきていた。


Y「きっっれ―――……」
藍「ほんとにね」
半分ほど太陽が顔を出したところで、ゆーまがポツリと呟いた。

藍「あ、月」
反対側を見ると、さっきまで粘り続けていた月が諦めたように沈んでいる。
Y「でもまだ夜だ」
藍「うん」
月が沈みきってもなお、夜空はまだだと訴えかけている。

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作者名:りーる | 作成日時:2020年1月2日 12時

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