046 ページ46
.
「告白するつもりはなかったんだが…
さっきの河井の慌てようを見て、
多少の希望はあるのかと思ってな」
「…いつから…?」
「自覚したのは最近だな。
これも純の助言だが。…好きな相手とは、
特別大切で特別守ってやりたい存在なのだろう?」
「間違ってないけど…」
特別大切で特別守ってやりたいって
私に直接言ってるようなものだ。
恥ずかしくないのはさすがだ。
結城の心臓はどうなっているのだろう。
どうしてこんなに真顔で
平常心を保っていられるの?
私はこんなに真っ赤で
心臓もバクバク言っているのに。
「…もし、今俺のことが完全に好きではなくても…
少しでもそうなる可能性があるなら、
試しでもいい。付き合ってみるのもありだと思うぞ」
「試し?」
「ああ。河井がちゃんと俺のことを
好きになれるように、俺も精一杯努力する」
ふわりと優しく笑う結城になんだかズキュンと
胸が撃ち抜かれた感覚。
正直、好きとかいう感情よりも今は
選手とマネージャーとしての仲間意識が
強く芽生えている。
でも、中学の頃の淡い気持ちが
完全に消えきっていないのも事実で。
私の中の結城哲也は
好きと友達の境界線にいる。
迷いに迷った挙句
私はその場で決断を下した。
.
114人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:志季 | 作成日時:2018年12月2日 0時