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「告白するつもりはなかったんだが…
さっきの河井の慌てようを見て、
多少の希望はあるのかと思ってな」

「…いつから…?」

「自覚したのは最近だな。
これも純の助言だが。…好きな相手とは、
特別大切で特別守ってやりたい存在なのだろう?」

「間違ってないけど…」




特別大切で特別守ってやりたいって
私に直接言ってるようなものだ。
恥ずかしくないのはさすがだ。

結城の心臓はどうなっているのだろう。
どうしてこんなに真顔で
平常心を保っていられるの?

私はこんなに真っ赤で
心臓もバクバク言っているのに。




「…もし、今俺のことが完全に好きではなくても…
少しでもそうなる可能性があるなら、
試しでもいい。付き合ってみるのもありだと思うぞ」

「試し?」

「ああ。河井がちゃんと俺のことを
好きになれるように、俺も精一杯努力する」





ふわりと優しく笑う結城になんだかズキュンと
胸が撃ち抜かれた感覚。

正直、好きとかいう感情よりも今は
選手とマネージャーとしての仲間意識が
強く芽生えている。

でも、中学の頃の淡い気持ちが
完全に消えきっていないのも事実で。


私の中の結城哲也は

好きと友達の境界線にいる。


迷いに迷った挙句

私はその場で決断を下した。


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作者名:志季 | 作成日時:2018年12月2日 0時

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