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「ゆ…結城、ちょっと待って。
急だし珍しく早口だし追いつかなくて」
「何がだ?俺が伝えたいのはお前が好きだということだけだぞ」
「それ!それが急なの!」
うわぁぁと頭を抱える私を見て真顔で首を傾げる結城。
ド天然なのは中学から知っていたし慣れているから、振り回されるのには割と免疫があるほうだ。
けどこの場合はどうしても理解できない。
だって、告白なら、もっとこう…ね?
「恋とは、気付いた瞬間に気持ちを伝えないと駄目なものなんだ」
「…どこからの引用?それ」
「純だ」
伊佐敷め、また結城に変なこと吹き込んで…
この告白も、どうせ結城からではなく
伊佐敷が後押しかなんかをしたんだろう。
「自分の意志なの?伊佐敷になんか言われたからとかじゃなく?」
「アドバイスは有難く貰ったが、自分の意志には変わりない」
クラスは違えど学年も部活も一緒、
だけど結城のそんな素振りは一切感じられなかった。
私は自分で思ってるより感が鈍いのだろうか。
いろんな感情が入り混じり脳内が混雑する中、表情ひとつ変えない結城はゆっくりと口を開く。
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作者名:志季 | 作成日時:2018年12月2日 0時