【◇】年下の男の子 (ページ42)

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「久しぶり！元気してた？」

「久しぶり香乃！そっちこそ～
全然会わないよね、寂しかったよ！」

「私も～！」

懐かしいこの感じ。

いつもテンションの高い香乃に
ついていくのは正直大変だったが、
そんなところが好きだし可愛くも思っていた。

ひとしきり盛り上がったあと、
空気になっていた結城の存在を思い出したかのように
香乃は大きく目を見開く。

「そうだ！それより！
なんで結城と一緒なの？え？もしや付き合った？」

「ちょ…ち、違うから！送ってくれてるんだよ。
結城の優しさ！ね、結城」

私がたぶん動揺で真っ赤であろう顔を隠しながら
結城に同意を求めると、
こくんと微笑みながら頷いた結城。

そんな彼を見て「無口は変わんないのかよ」と
笑いながら言った香乃は、私に向かって
「でも、いい感じね」とニヤリと口角を上げる。

「～～っあーもう、違う！違うよね、結城！」

「どーだか？高校入っても一途なのには
変わらないんだね～A♡」

「はい！もう！バイバイ！香乃バイバイ！」

「え～もう帰んの～？バイバーイ…」

帰るのは自分のせいだってわかってるくせに。

渋々手を振る香乃と別れ、
また結城と2人で帰路を歩き出す。

そして私の家の前までついた。

まだ香乃のせいで緊張と動揺が残っていた私は
目を合わせずに「じゃあね」とだけ言い、
自宅に入ろうと足を進めた時だった。

「…河井」

結城が、腕を掴んで私を引き留めた。

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