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まさかの再会から数週間が経った。
「Aちゃーん、お疲れーっす」
あれから毎日、練習が終わると
私が残っているマネ室にやってくるようになった一也。
「今日も来たの？監督、早めに休めっていつも言ってるでしょ？…いつのまにかちゃん付けだし」
「いーじゃん！中学の時は練習終わり毎日話してたからさ、高校でもまたしてぇの。」
そう言ってズカズカ女子の領域に入ってくる一也は
厳しい練習終わりでもケロッとしている。
1年はまだランニングばかりの毎日だ。
放課後からあんなに走っといて、
どうしてこの子だけはこうも平気そうなのか。
「ふーん…じゃ、話そっか？」
「そーこなくちゃ、Aちゃん」
私の返事にニッコニコになった一也は
やはり大きくなってもかわいく見える。
「そーいえば、Aちゃんが振られた人とはどうなったの？まだ好きなの？」
微笑ましく見守る私とは反対に笑顔のままストレートに数年前の傷をえぐられる。
まあ…もう、そんなまだ気にしているほど子供じゃないし。中学生の恋なんて、というふうな思考だ。
「好き…なのかな？わかんないけど、まあ中学の頃ほど強い思いはないかなぁ」
「マジ！？じゃあ俺にもチャンスきた！？」
「ちょ、急に大声やめて！」
バン！ともたれていた机を叩いてシャキッと直立する一也を一旦宥め、けれど昔と変わらないその対応になんだか少し嬉しくなる。
…正直結城のことは、まだ好きかもしれない。
けど、選手とマネージャーという立場になって、
私たちの関係がどこか変わったのも事実だ。
ただの友達、クラスメイト、という感じでもないし
かと言って喋る回数は減るどころか増えたし…
仲の良さで言えば確実に今のほうだけど。
強いて言うなら、��仲間��として見る機会が
増えたのかもしれない。
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作者名：志季 | 作成日時：2018年12月2日 0時
