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「どうするA?何にする?」



ショッピングモールに着くなり、
香乃が発した言葉。

そう、今日の買い物の目的は
どちらかというと私にある。



「そうだねぇ、どうしようか」

「そうだねぇってあんた…
好きな人へのクリスマスプレゼント選びに
そんな精神で挑んでいいわけ?」

「ちょ、声が大きい…!」



どこかに知り合いも潜んでいるかもしれない
自宅近くのショッピングモール。

そんな場所でデリカシーもなく
大声で恥ずかしいことを言う香乃の口を、
私は慌てて手で塞いだ。


私には好きな人がいる。

同じ中学で、野球部の彼。


天然で鈍感で絶対と言っていいほど
恋愛に疎いであろう彼へのアピールには、
やはりプレゼントが効果的だと香乃は言った。


そして今は11月。

季節的にもクリスマスプレゼントが最適だ、
とナチュラルに告白の日も決められ、
言われるがままに連れてこられた買い物。



「って言っても、アイツ、何が好きとかないだろうしなぁ。相手が相手なだけに難しいよね」

「ね…ほんと、困っちゃうよ」



苦笑いで香乃に答えると、
「困っちゃうよってなに、可愛いな。
恋する乙女は大変だね」とクスクス笑われた。


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作者名:志季 | 作成日時:2018年12月2日 0時

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