第六Q ページ6
黒子「ぐっ…、」
襲い来る者は生きた人間達。傷つけるわけにはいけない。しかし、吸血鬼の少女を野放しにしてはならない。そんな気がした。
少女は表情を変えず人間で黒子に襲いかかる。
「おい、能力は使わぬのか
黒子「え、コウモリが喋って…ますね」
突如声をかけられ振り向くと、先程のコウモリが話しかけていた。よく見れば怪盗あたりがつけていそうな片眼鏡をつけている。そしてその目は__
鮮やかな緋色。
黒子「貴方も吸血鬼…」
「余所見するでない!」
黒子の状況把握より先に糸が襲い来る。黒子は走って避けると
「見ない顔だが悪くない除け方じゃな」
黒子「ありがとうございます。…しかしまだ追ってきそうですね」
「そうじゃな。彼奴は椿の
椿、の事は後々クロ達に聞いてみようと思いつつ、黒子は言った。
黒子「特殊能力ではありません。ただのテクニックなので。とりあえず40分フルには使えません」
「…よし、十分じゃな。とにかくそれを使って向こうの方まで逃げ切ってくれんか」
コウモリは黒子の肩に乗ると、小さな手で方角を指差した。黒子はやるしかないと頷く。そしてダッと走った。
「見つけました。逃げられると困ります…」
少女は視界に彼らを見つけるとふわりと糸と人形を使って2人に襲いかかる。黒子はそれらをミスディレクションとバニシングドライブでかわす。
黒子「(しかし、ボクの技はボールのように目立つ物が無いと使えなかった気が…)」
そう思った束の間、黒子は飛んでいたコウモリに向かって黒い球体を投げていた。
コウモリは慌ててかわす。
「お主どこ狙っとるんじゃ!」
黒子「あ、すみません」
ボールは地面にあたるとふっと消え、黒子の手にはまた黒い球体が出現した。
黒子「(これがボクの能力なのでしょうか?このボールは…)」
_バスケットボールだ
黒子はドリブルをしながらバニシングドライブで人形達をかわして行く。
「捕獲対象を確保しなければ_」
「オトギリ」
突然無から狐が現れた。口元と前足の先、尻尾の先端が白く、他は黒い。尻尾は二本生え、小さめながらどこか貫禄を放っていた。
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作者名:完全無欠の模倣っ! | 作成日時:2023年8月31日 21時