第三Q ページ3
＿＿深夜。
黒子は目を覚ました。なぜかベッドの上に寝転んでいた。誰の家だろう。座った状態であたりを見回すと、男性と目があった。
白髪で細身、２０代前後だろうか。水色の皮パーカーの先端は黒くグラデーションされ、フードにも黒いファー。濃いクマのできた目は闇夜でも怪しい赤色を放っていた。
男は黒子と目があうと、布団に寝転ぶ彼をゆさゆさと揺らし「起きたぞ…」と呟いた。
青年は２，３回ほど揺さぶられると「んん…」と声を漏らしながら目覚めた。
自分と同じくらいの年齢層だろう。茶髪で澄んだ瞳には、どこか無邪気な性格も見え隠れする。見た感じ着ているのはルームウェアだろうか。こちらを少し見た途端バッと立ち上がった。
「よかった、どっか痛くないか？一応手当てはしたんだけど…」
改めて黒子が自分の体を見ると、傷ついた体には包帯が巻かれ、絆創膏も貼られていた。
黒子「ありがとうございます、問題ないですよ。…ですが、僕はなぜここにいるのでしょう。しかも傷もかなり癒えていて…」
「真昼、吸血鬼は不死だぞ…」
黒子はその言葉を聞いて戸惑った。自分は人間である。吸血鬼ではない。困惑しているのを察したのか、はたまた偶然か、真昼と呼ばれた青年はこう説明した。
真昼「えーと、シンプルに言うと…お前を吸血鬼にしちゃった」
黒子「…はい？」
さすがの黒子も驚いた。白髪の男に「とりあえず鏡見ろ…」と手鏡を渡され、自分の顔を見る。
黒子「目が…」
確かに顔は黒子テツヤその人だ。しかし、空色の目は鮮やかな緋色になっていた。まるで、この場にいる白髪の男のように。しかも自分の犬歯も少し鋭くなっていた。これは吸血鬼と言ってもいいだろう。
「だから言っただろ…助けるのを代償に人間じゃなくなるって…めんどくせー…」
黒子「しかし、助けていただいたのは嬉しいです。ありがとうございます。…一応解説を頂きたいのですが…」
会釈した後尋ねる黒子に、白髪の男に代わって真昼が解説する。
真昼「まずは自己紹介だな。俺は城田真昼、そしてこっちが吸血鬼のクロ。俺たちは契約して
クロ「いちいち聞くな…あってる」
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作者名：完全無欠の模倣っ！ | 作成日時：2023年8月31日 21時
