うみのあお・・ばんがいへん６

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南国を意識して作られたと思われる洋服達。
雅紀は嬉しそうな顔をして画面を見つめていた。
櫻井も、思ったより種類が多くて迷うほどある。
そんな時、雅紀が１枚のＴシャツを指さした。
海を思わせる蒼、グラデーションになっておりとても綺麗だった。


「さとし・・・」
「ん？、智くんがどうしたの？」
「これ、さとしの絵」
「えっ？！」


大野が洋服のデザインなどしているのを見た事がない。
なぜ、雅紀はこれを大野の絵だと言ったのだろう？
雅紀はこれが欲しいと言う。
予定内だから櫻井も反対はしない。
洗濯が終わる頃、欲しい物は全て注文出来た。


届くのは２日後。
待ち遠しい雅紀はそれでもワクワクしている。
可愛い魚達が泳いでいるのを待っているんだと櫻井は思っていた。


「かずなりぃ、くふふっ」
「どうした？」
「新しいお洋服を買ってもらったの」


日曜日の昼、二宮の店に食事に来た雅紀は嬉しそうに言う。
そこへ、松本と大野がやって来た。
雅紀は大野に飛び付き、笑っている。
びっくりした大野は櫻井を見る。


「智くんに聞きたいんだけど」
「何だ？」
「あの街の雅紀の両親の店のＴシャツにデザインなんかした？」
「１枚だけな、どんなのでもいいって言われたからよぅ」
「雅紀の新しい服を買うのにサイトで選んでたら、雅紀が智くんの絵だって言うんだ」
「ほぅ、見つけたのか？」
「本当にそれが智くんのかは判らないけどね」
「海を描いたんだ」
「じゃぁ、雅紀が見つけたやつかなぁ」
「翔さん、服はいつ届くの？」
「明日、引き取りに雅紀と行こうかなと思って」
「仕事終わりに？」
「うん」
「さとし！綺麗な蒼だった！まさきねぇ、あれ好き！」

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