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第四話 見つからない ページ7

たくさんの人であふれかえる昼の町



世間から離された私たちにお似合いなのは夜だと思うのだけれどね。



吐き気を催すたくさんの人


たくさんの色


たくさんの匂い


たくさんの音




ああ、いやだ。



いままでは、全然人となんてかかわってこなかった。



エリスとか、久作とか、森さんとか、紅葉さん、あと、中原さん?だっけかな。


まだいるけど、後ほとんどは黒服さん。


おんなじ顔で、おんなじ服装で、おんなじ動き。



あれはあれで気味悪いけど。



幸せではなかったし、不幸でもなかった。


私の知る世界はこんなにも明るくなかった。



あの人はずるいな、さっさと外に出て行って、さっさとなじんだんじゃないかな。


偉い人だったんだと思う、だからかいやでもうわさは聞いた。


ここから出て行ったと。



あの人はどこでもうまくやっていけるタイプの人間。


狭い世界しか知らない私は、あの人とは正反対のようで、すこしうらやましかった。








「・・・あれ?」


少し考え事をし過ぎてしまったようだった。




久作が見当たらない。




どこ、ねえどこに行ったの。



見つからない、見つかるわけない。



こんなたくさんの人の中から、あの幼く背の低い少年一人を見つけることなどできやしない。





いつ手を放してしまったのだろう


考えてもわからない




いまはただひたすらに走った。

そんなに遠くにはいっていないはず。


そう信じて、走り続けた。





その先に、誰がいるのかも知らず。

少し先の未来に何が起こるのかも考えずに。





「久作!どこ、どこなの?ねえ!」



何人かの人にぶつかっても気にせずに、ただただ走った。



次第に息が上がっていく。



疲れも痛みも何にも感じなかった。



私がいなければ、彼は異能力を使ってしまうかもしれない。



発動してしまうかもしれない。




それだけはどうしても避けたかった。





それならばと、ふと一つのアイデアが頭をよぎった。




私が異能力を使えばいいのではないか?




そう思い立ち、右手で準備をしようとした瞬間のことだった。









「やぁ、久しぶりだね。Aちゃん。」

第五話 嫌い→←作者より。



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(プロフ) - 唄乃さん» あざっすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!めっちゃうれしいです!感謝!物凄いですね!○○さんパワー(誰とは言わない。ネタバレになる。) (2017年8月25日 0時) (レス) id: 4fe7e5e021 (このIDを非表示/違反報告)
唄乃(プロフ) - (・ω・ノノ゛☆パチパチお見事な位楽しませていただきました!面白いです! (2017年8月24日 16時) (レス) id: 30dbf272d1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 椿さん» そろそろ会わせようとはおもってたwついにっすよ!ついに!更新遅いけど見てくれてありがとう! (2017年8月23日 23時) (レス) id: 4fe7e5e021 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - き、来たああああ! ついに・・・・! 祥おねえちゃん! ほんとにおもしろいよ! 最高!! (2017年8月23日 19時) (レス) id: 61b804697f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 唄乃さん» 感謝感謝です。ありがとうございました! (2017年8月15日 8時) (レス) id: dcf550be00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年7月26日 15時

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