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「ん−、僕も詳しくないんだ…、あ、そう言えば客間に本があった気がするよ」
見に行ってみようか、と言うので、私は客間に続く扉を開けた。しかし私は中を覗いてすぐ、その扉を閉めることになる。何事か、と首を傾げたリーマスは私と同じように扉を開けようとするので、思わず止めてしまった。
「その、Aさんと、シリウスが…」
私がそう言うと、リーマスはそれだけで何かを察したようで、呆れたような顔を浮かべた。そして全くあの二人は、と呟いて、ごく自然にその扉を開け放ってしまった。そこにいたのはソファの上に向かい合って座り、深いキスを繰り広げるAさんとシリウスだった。
その二人は私とリーマスが中に入ったことに気が付いていないのか、夢中になってお互いの唇をむさぼっている。私は絵になる二人から目をそらすことができなかった。リーマスがわざとらしく咳払いをすると、気が付いたのか二人はキスをやめた。そしてシリウスはAさんの後頭部をつかんで自身の肩に埋めさせた。
「のぞき見か？えっち♡」
「君たちのキスシーンなんて呆れるほど見たよ…」
本当に２人のキスシーンに慣れているのか、リーマスは特に気にした様子もなく会話を繰り広げる。相変わらず私は三人を呆然と見るしかできなかった。
「そうそう、君カクテル言葉は詳しい？」
「あ？当然だろ？」
自慢げに口角を上げた彼は、私と少し目を合わせ、そしてAさんの背中をするりとなでた。そしてカルーアミルクのカクテル言葉は”悪戯好き”だ、とにやりと笑って言った。披露宴で彼が私に勧めてくれたカクテルだ。彼にぴったりのカクテル言葉。
「ホワイトレディは純心。純粋な心。Aにぴったりだろう？」
「耳にタコができるくらい聞いたよその話」
「…君が手にしてるのは、シャンディ・ガフだな。カクテル言葉は”無駄なこと”」
告白や誘いを断るときによく使うんだ、と彼は笑った。ようやく気が付いた。Aさんはシリウスの兄弟なんかじゃなくて恋人だということ。そして、私が彼に一目ぼれをしたことなんかシリウスに筒抜けで、私の反応を見て悪戯していたのだ。それに気が付かせてあげようと、さっきのレギュと呼ばれた人は私にシャンディ・ガフを渡してカクテル言葉の話をした…？
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マールヴォロ・ゴーントの指輪
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ルーモス（光よ）
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アネモネ(プロフ) - RIKOさん» コメントありがとうございます！大変恐縮です。趣味で書いている程度なのでつたない文章ですが、楽しんでいただけたら幸いです。是非お時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月14日 10時) (
レス) id: 4798491269 (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - こんなにも作り込まれていて面白い作品には久方ぶりに出会いました。とても楽しく読めて、最近の私が充実しているようにも感じます。本当にありがとうございます！応援しています。 (2023年2月13日 21時) (レス) @page30 id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます！R18版ですが、マイページの設定でコンテンツフィルタがオフになっているのであれば、私には原因がわからないです、すみません…。ブラウザから見るなどしても見当たらなければ解決策を考えるのでまた教えてください！！ (2023年2月8日 9時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 面白くて、思わず一話から一気読みしてしまいました!キャラ達格好可愛いし最高!所で、この小説のR18版が探しても見当たらないのですが、どうしてか分かりますかね…?フィルター等は無いんですけど…知ってたら教えて欲しいです！更新楽しみにしてます! (2023年2月8日 2時) (レス) @page13 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます！趣味で楽しく書かせてもらっています！こんな私の妄想にお付き合いいただいて嬉しいです。無理せずしっかり完結できるように頑張りますので、ぜひこれからもお時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月3日 11時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アネモネ | 作成日時：2023年2月2日 11時
