Thank You For Being Born! ページ9
４年生になってすぐ、Aから提案されたのはハロウィンの日の悪戯。もともと明るい奴だが、まさか悪戯好きだったとは。
彼女はみんなの衣装をハロウィンに変えたら面白いんじゃないか、とわくわくした様子で言った。そんな面白そうな話に載らないわけがない相棒はぱあっと笑顔を浮かべた。
「それなら全員の衣装を変える魔法をかけるために目隠しが必要だね！」
それから光を消して真っ暗にしよう、その間に服が変わる魔法をAが振りまく。それに気が付かれないように、ジェームズとシリウスが箒にのって視線を上にあげ、光がともった瞬間にリーマスとピーターでお菓子を降らすことに決まった。
ハロウィン当日、みんなの衣装が変化していく様子を見るAの瞳はきらきらと輝いていた。それを見て俺の口角も自然に上がる。彼女の近くにいるとみんな自然と笑顔になるのだ。
「それにしてもシリウス、Aを犬の衣装に帰るなんて大胆だね」
「はあ？なんでだよ」
「君の守護霊も犬だろう？無意識の独占欲ってやつかな」
ジェームズは俺をからかうようににやにやと笑う。しかし当然そんな意識もなく、似合うかな、と想像して魔法をかけただけだ。そんなんじゃねえよ、とジェームズに言うが、にやにや顔はさらに深くなるばかりだ。むかついたので奴の鳥の巣をなで回してさらにふわふわにしてやった。
そしてその数日後のことだった。声をかけられて目を開ければAが居た。
ここは男子寮、周りを見渡せば同じ部屋の３人はすやすやと眠っているようだった。窓の外も真っ暗で、ちらりと時計を見れば12時ぴったりだった。
驚く俺に、Aは右手の人差し指を立てて、俺の唇に寄せる。静かにしろ、の合図だが唇に触れそうなほど近くにあるAの指に思わずどぎまぎする。
そんな俺にAはにっこりと笑ってお誕生日おめでとう、と言った。その声がどうしても優しくて泣きそうになった。Aは声を潜めて生まれてきてくれてありがとう、とほほ笑んだ。
がばっと布団から起き上がる。突然起き上がった俺に同室の３人は目を見開いて俺を見た。３人は俺を怪訝にみながらも、お誕生日おめでとうシリウス、と声をかけてくれた。
すっかり朝になっていて夜中にAから祝ってもらったのは俺の願望が見せた夢だったのか、と落胆した。しかし、起き上がった俺に手には一枚のカードが握られていて、その差出人を見て俺は笑顔を浮かべた。
ラッキーアイテム
マールヴォロ・ゴーントの指輪
今日の呪文学
ルーモス（光よ）
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アネモネ(プロフ) - お昼ご飯はモンスターさん» ありがとうございます！長い作品ですが、お時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年1月27日 13時) (
レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
お昼ご飯はモンスター(プロフ) - キメラ想像したらめっちゃ笑いましたwwまだ読んでいる途中ですが続きが気になって黙々と読んでいます。更新お疲れ様です、応援してます！ (2023年1月26日 10時) (レス) id: be756b31db (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - お昼ご飯はモンスターさん» つなぎ目だらけで舌を出すキメラを生み出してしまいました…wご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2023年1月26日 10時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
お昼ご飯はモンスター(プロフ) - フランケン・アインシュタインはおもろすぎるｗアインシュタインとフランケンシュタインは別物ですよ〜 (2023年1月25日 10時) (レス) @page8 id: be756b31db (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - みーやんさん» ご指摘ありがとうございます！見当たる限り修正しました、ご迷惑おかけします。読んで下さりありがとうございました、これからもよろしくお願いします (2022年12月13日 0時) (レス) id: cfb2af5982 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アネモネ | 作成日時：2022年11月26日 20時
