Beyond the Friends ページ48
昨年に引き続き、10月中旬にAはハロウィンの悪戯について話し合いに来た。俺たちがスネイプに謝罪してからはあっという間に仲が修復され、いつも通り快活なAの笑顔を見られるようになった。ハロウィンに向けて俺は大忙しだ。なぜなら昨年祝うことができなかったAの誕生日もハロウィンだからだ。
全校生徒に向けたハロウィンの悪戯のために普段よりも一緒にいることが多いAの目を欺くのは至難の業だ。それに、戦うための魔法の練習やピーターのアニメ―ガスの練習も欠かすことはできない。よく考えたら俺たちは今年Ordinary Wizarding Levels通称O.W.Lsがあり、勉強もしなければならない。シリウスはブラック家を継ぐために最低限の科目は合格しておきたいのだ。
スネイプを虐めている暇もない俺たちはハロウィンを迎えた。ハロウィンの悪戯は成功して、いろんな生徒から来年も楽しみにしている、なんて言われた。Aも満足そうな顔をしている。しかし俺からしたらこの後が本番だった。ハロウィンでみんなが盛り上がる中、俺は21時天文台、とAに耳打ちした。
昨年、Aが12時ちょうどに俺の誕生日を祝ってくれた時は舞い上がるほどうれしかった。だから俺もそうしたかったが、生憎男子生徒は女子寮へ入ることはできない。いつか、誕生日のAを俺が貸し切って一日過ごしたい。そんな妄想が、付き合ってもいないのに頭に浮かんできてしまって、すぐに首を振って思考を止めた。ハロウィンの夜、俺は天文台でAを待っていた。
まだ冬とは言えないが、肌寒い。マフラーは要らないし、俺のシャツは相変わらず3つボタンが空いているけれど。緊張でため息をつくが、その息はまだ白くはならなかった。
夜空を見ながらそんな物思いにふけっていると、後ろからカツン、とローファーの音がする。その足音は俺の隣まで警戒心もなく近づいてくる。そしてAは俺の隣に肩を寄せて立ち、同じように夜空を見上げた。雲一つなく、月は三日月なので星が良く見えた。
「誕生日おめでとう」
「ありがとう。今日は祝ってもらえないと思ってた」
俺がAの誕生日を祝わないわけがないのに、Aは心底安堵したように言った。俺はあり得ない、と相槌を打ち、Aの方を向いた。
＿＿＿
いまさらですが、「Fantastic Beasts and Where to Find Them」のお話は2001年に静山社から出版された『幻の動物とその生息地』を改変したものです。
ラッキーアイテム
マールヴォロ・ゴーントの指輪
今日の呪文学
ルーモス（光よ）
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アネモネ(プロフ) - お昼ご飯はモンスターさん» ありがとうございます！長い作品ですが、お時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年1月27日 13時) (
レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
お昼ご飯はモンスター(プロフ) - キメラ想像したらめっちゃ笑いましたwwまだ読んでいる途中ですが続きが気になって黙々と読んでいます。更新お疲れ様です、応援してます！ (2023年1月26日 10時) (レス) id: be756b31db (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - お昼ご飯はモンスターさん» つなぎ目だらけで舌を出すキメラを生み出してしまいました…wご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2023年1月26日 10時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
お昼ご飯はモンスター(プロフ) - フランケン・アインシュタインはおもろすぎるｗアインシュタインとフランケンシュタインは別物ですよ〜 (2023年1月25日 10時) (レス) @page8 id: be756b31db (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - みーやんさん» ご指摘ありがとうございます！見当たる限り修正しました、ご迷惑おかけします。読んで下さりありがとうございました、これからもよろしくお願いします (2022年12月13日 0時) (レス) id: cfb2af5982 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アネモネ | 作成日時：2022年11月26日 20時
