Vampire Girl ページ25
学年末テストも終わり、俺は図書室に入り浸るようになった。ジェームズ達には気持ちわるがられたが、俺が大体の目的を話せば、協力するよ、と笑ってくれた。そうして俺の考えも大体まとまった。
今はかねてより悪戯仕掛人で作ろうと思っていた地図製作のために、校内の人気のない場所を何度も歩いては仕掛けがないかと目を凝らし歩いていた。
もはや周りには人もいなくなって、今まで見たことのない大きな壁画を見つけた。かなりの存在感なのになぜ今まで見つからなかったのだろうか。俺は怪しんでその壁画に指を這わす。
真ん中に白い羽の生えた女性が描かれていて、その女性の前には橋を渡る男女の兄弟。その絵になんだか吸い込まれて描かれている翼をするりとなぞると、その壁画はきい、と音を立てて手前側に開いた。
俺は仕掛けだ！と内心喜んでその中へと足を進めた。そこは隠し通路のようで、禁じられた森につながっていた。これはジェームズに伝えなければ、とにやりと笑うと、誰かの小さな息遣いが聞こえる。どうもその息遣いが苦しそうだ。
こんな昼間から、禁じられた森で盛っているカップルでもいるのか、と興味で聞こえる方向へと足を進める。なるべく音を立てないように、静かに。そうして見つけたのは芝生に膝をつき、胸を押さえてうずくまるAの姿だった。
俺はとっさに駆け寄り、彼女の背中を抱く。体調が悪いどころの騒ぎではなさそうだ。ぱっと見外傷はないが、顔色が尋常じゃないほど悪い。頬は真っ赤に染まっていてじっとりと汗をかいている。さらに、息苦しいのか、必死に息をするために開けた口からは絶え間なくよだれがぽたぽたと芝生に落ちる。
俺の存在を認識したAは手で俺を制止する。なにもするな、の合図だったがそういうわけにもいかない。
おれはAの表情を見るためにのぞき込めば、いつもは透き通るきれいな赤い瞳が、まるで血の乾いたような赤黒い色に変化していた。さらに彼女の犬歯は長く伸び、指の爪までも長くなっている。
「…吸血鬼、か？」
その症状には覚えがあった。つい先日魔法史で学んだ部分である。魔法使いよりも強い魔力を持ち、今はもう絶滅したとされる種族。彼女がそれだというのだろうか。
ラッキーアイテム
マールヴォロ・ゴーントの指輪
今日の呪文学
ルーモス（光よ）
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アネモネ(プロフ) - お昼ご飯はモンスターさん» ありがとうございます！長い作品ですが、お時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年1月27日 13時) (
レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
お昼ご飯はモンスター(プロフ) - キメラ想像したらめっちゃ笑いましたwwまだ読んでいる途中ですが続きが気になって黙々と読んでいます。更新お疲れ様です、応援してます！ (2023年1月26日 10時) (レス) id: be756b31db (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - お昼ご飯はモンスターさん» つなぎ目だらけで舌を出すキメラを生み出してしまいました…wご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2023年1月26日 10時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
お昼ご飯はモンスター(プロフ) - フランケン・アインシュタインはおもろすぎるｗアインシュタインとフランケンシュタインは別物ですよ〜 (2023年1月25日 10時) (レス) @page8 id: be756b31db (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - みーやんさん» ご指摘ありがとうございます！見当たる限り修正しました、ご迷惑おかけします。読んで下さりありがとうございました、これからもよろしくお願いします (2022年12月13日 0時) (レス) id: cfb2af5982 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アネモネ | 作成日時：2022年11月26日 20時
