だって好きなんだもん！！【煉獄杏寿郎】

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ピロン


杏寿郎がちょうど家に着いた頃だろう。
スマホの通知音が鳴った。



"ただいま！早速あの箱は母上に奪われてしまった！不甲斐なし！！"



いやいや！不甲斐なし！！じゃないんだわ！！



"私が怒られるんだからバレないようにしてよ！"


"母上が父上を呼びに行ったぞ！！もう遅い！！"



「杏寿郎ぉぉぉぉぉぉ！！！！」



思わずスマホをソファに叩きつけた。
瑠火さんに絶対怒られるじゃん。
槇寿郎さんに絶対溜息つかれるじゃん。



"千寿郎はいま風呂に入っているようだ！写真はもう少し待っていてくれ！！"


"お風呂あがりの千寿郎君を是非ともよろしくお願いします。杏寿郎様！！"


"考えておこう！では、俺も風呂に入ってくる！！"



「嘘でしょ？！千寿郎君と一緒にお風呂入んの？！杏寿郎ぉぉぉぉぉぉぉぉ！！」



再びスマホをソファに叩きつけた。
ずるい。
それしか出てこない。

私だって千寿郎君と一緒にお風呂に入りたい！！

という事で、同じタイミングで私も入浴(シャワーだけど)を済ませ、杏寿郎からの連絡を待つことにする。



冷蔵庫から取り出した冷えた麦茶を飲み干し、ソファに体育座りをしてスマホをじっと見つめていた。





ピロン




待ち望んだ音が鳴って、急いでスマホを確認する。

相手は杏寿郎で間違いなかった。


"おまたせ！！サービスショットだぞ！"


そう添えられた文章と同時に送られた写真。

確かにすんげぇサービスショットだよ。

杏寿郎のお風呂あがりの肉体美。

端の方に恥ずかしそうに写る千寿郎君は着衣だ。

いや別に可愛いパジャマ姿だからすごい嬉しいよ？

だけどなんだろう。

メインが杏寿郎なんだよ。

お風呂あがりの煉獄杏寿郎。

腰にタオル巻いてる。


"ありがとう！！だけどちょっと違う！"

"タオルが要らなかったか？それはさすがに送れんぞ！！"


そして送られてくる、愛してると叫ぶ謎のさつまいものスタンプ。

そんなのどこに売ってるの？見たことないんだけど自作？


"俺はこれから千寿郎に勉強を教えてくるから、Aは早く寝るように！おやすみ！！"



結局、この日はパジャマ姿の千寿郎君(メインが強烈すぎてあまり頭に入っていない)の写真を送って来てくれた杏寿郎。


毎日送ってくれるらしいけど、この先不安でしかない。

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