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次の日の朝。
RRRRR……
一人暮らしのワンルームに鳴り響く着信音。
時刻は6:30分。
ディスプレイに表示されている相手は、煉獄杏寿郎だ。
『おはよう!!いい朝だな!!』
通話ボタンを押すと同時に聞こえて来た、大きく元気な声で寝ぼけていた頭が冴えた。
「おはよう、杏寿郎。今日もモーニングコールありがとう」
『俺がしたくてしている事だ!礼などいらん!!』
杏寿郎はとても世話焼きで、いつもこうして私を起こしてくれる。
朝食をきちんと食べなさい、だとか、午後には雨が降るから折り畳み傘を忘れるな、とか。
実家のお母さんのような感じだけれど、いい加減な性格の私は正直とても助かっている。
『今日は冷えるそうだから、暖かくして行くんだぞ!!』
「うん、ありがとう。杏寿郎もね」
『あぁ、わかった!!では、また連絡する!二度寝するんじゃないぞ!!』
私は、はーい、と笑いながら返事をして電話を切った。
その後はいつも通りに朝食を食べたり支度をしていたのだが、大事なあれがないのだ。
【千寿郎君の写真】
まるでアイドルの写真でも眺めるように、毎朝仕事に行く前と、毎晩帰宅後に見ていたものがないのだ。
「……やる気が出ないんだが?」
スマホに保存していないのか?そう思われても仕方ないが、杏寿郎に普通にパスワードがバレているため保存していなかった。
撮影した写真はすぐにSDカードに移し、杏寿郎と会う時はそのSDカードを抜いて保管するという徹底っぷりだったのを褒めて欲しい。
まぁ結局バレてしまったわけなのだけれど。
「千寿郎君……恋しい……恋しい…………」
辛い。
盗撮といえど、私の撮影した千寿郎君は本当に可愛く撮れているものが多かった。
その笑顔にどれだけ私が癒されていたか知らないのだろう。
辛いよ、辛いんだよ。
「あ、昨日の写真があった!!」
そうだった。
昨夜杏寿郎が送ってくれたじゃないか。
メインが杏寿郎だろうと、千寿郎君のパジャマ姿という激レアな姿が写っているじゃないか!!
更に杏寿郎公認なので、普通に本体に保存しても問題ない。
何時でも見られる、幸せ。
早速昨夜の写真を開けばそこは天国。
ありがとう、私の天使。
「っしゃぁ!!今日も頑張れる気がする。千寿郎君は今日も可愛い」
出勤時間になったので、鞄を持ちパンプスを履いて家を出た。
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柚葉(プロフ) - めちゃくちゃおもしろい🤣🤣謎の🍠スタンプ最高ーっス‼️更新楽しみぃ🍠 (2021年12月19日 6時) (レス) @page4 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
炎香(プロフ) - 衣世さん» はじめましてこんばんは!コメントありがとうございます!私も杏寿郎の腰タオル写メ欲しいです笑 なんか現代にもし居たら独特なセンスを持っていそうな勝手なイメージがあって、すいません😂🍠💦最後までお楽しみ頂けると幸いです! (2021年12月6日 20時) (レス) id: a219c056d8 (このIDを非表示/違反報告)
衣世(プロフ) - はじめまして!叫ぶさつまいものスタンプ🤣笑いました😂🍠最高ですー!杏寿郎の肉体美写メ欲しいです🔥待ち受けにしますっ😭これからも更新楽しみしてます❗ (2021年12月6日 12時) (レス) id: 1ea4fe96cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:炎香 | 作成日時:2021年12月5日 18時