番外編2. ページ6
一体どうするのかなーなんて思いながら、そっと眺めていれば、なんだか近づいてくる御幸。
え、なに?は?なんでこっちきてんの?告白した女の子だってぽかんとしてるよ。え、きも。こっちくんなばか。
なんていう罵倒を心の中で繰り返し、近づいてくる眼鏡と距離をとろうと立ち上がろうとするーが、
ーあ、足が…ー
まるでお約束のようにしびれている足。立て、この馬鹿者。こんなところで止まっている場合か。
うっ、と唸りながら立ち上がろうにも鈍い私の動きに御幸が追いつかないはずもなく。いとも簡単に捕まってしまったわたしを引きずりながら告白女の前に連れてくる。
待って待って。さっき御幸に赤面してた顔と天と地の差よ!怖い怖い!
まるで鬼のように私を睨みつけながら、御幸に顔を向けるときだけ天使のように笑う。「で?」と声を漏らした告白女にもう涙はない。
御 「こいつが俺の好きなやつ。」
…。…?って、はあああああああ?こいつ死にたいの!?てか!暗に私に死ねって言ってるのか!?
これまでにないくらい歪んだ顔をすれば、「今だけ今だけ。」なんで小声で些細てくる御幸。お前、後でハーゲンダッツだ。
ぶすっとした顔で黙っていれば、目の前の女は先程以上に怖い顔。どうしたらそんな顔になるわけ?
おそろしや、おそろしや、と思いながらそっと告白女を見てみれば、さっきの御幸への天使のような顔で「わかった。」と笑顔で御幸に話していた。
女 「絶対奪うから。」
そっと去り際に耳元で囁かれた声にゾッとしながら私によりかかってだべっている御幸を睨んだ。
御 「こえー。」
私の方を見ずに「こえーな、女って。」と続けた。
「………もしかして、聞こえた?」
御 「バッチリ。」
ニカッと笑う御幸にもう怒る気力もなくて、はぁーとため息をつきながらしゃがみこんだ。「おっと。」なんていう御幸は知らない。
御 「悪かったな、巻き込んで。でも見るからに引き下がってくれなさそうな女子だったしよー。」
「そう思うんだったら、告白なんてされないでもらえます?」
「私の昼寝まで邪魔しやがって…。」と静かにつぶやけば、「おー、こわ。」と言いながらもけたけた笑った御幸。
「これで幼馴染じゃなかったらあんたを蹴飛ばしてるからね。」と言えば「そっか、そっか。」と少し苦しそうな御幸。
この時はどうして御幸が苦しそうなのか私にはよく分からなかった。
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あーちゃん(プロフ) - 105話、成瀬が倒れた(?)過程がないので、ちょっと分かりにくいです(・・;) (2023年1月20日 23時) (レス) @page44 id: 5c50c73791 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 (2019年7月7日 21時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 咲さん» 続編おめでとうございます!これからも見ます。頑張ってください! (2019年7月7日 20時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 咲さん» 今回も面白かったです!御幸と主人公ちゃん、いつかくっついてほしいですねぇ…これからも頑張ってください! (2019年7月5日 21時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - 豪炎寺修也推しさん» ありがとうございます!返信ゆっくりですが、是非続けてみてくださると嬉しいです! (2019年6月29日 20時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲 | 作成日時:2016年9月16日 17時