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105. ページ44

はっと目を覚ますと何故だかベンチの上で寝ていた。頭の上には片岡監督が座っている。

「監督…」
「成瀬、お前選手じゃないと言えども体調管理はこの野球部にとっては重要な項目だ。」
「……すみません。」

起き上がりながら額の上に乗せてあった冷たいタオルを握りしめた。きっとさっき変えてくれたばかりなのだろう。少しだけ水が滴り落ちてくる。

「…何故飯を食べない。」
「…え。」

「何故そんなに痩せたのだと、聞いている。」と監督はサングラス越しに私の目をじっと見つめていた。

ー知って、いたのか…ー

実はあの決勝戦が終わった日からろくに食事を取っていなかった。御幸とあんなことがあったことも原因の1つして大きいが、3年生たちが引退してしまう、というのが最もな要因である気がする。

倉持、御幸にでさえ気づかれなかった。だから誰も気づくことはないと思っていたのに。

「…監督、私昔野球をしていました。ボールを追いかけるのが、飛んでいくあの白い美しい球を見るのが好きでした。」

突拍子もなく語り始めた私を監督は静かに腕を組んで聞いてくれていた。お父さんとはこういう形もあるのかな、なんて思った。

「自慢じゃないけどすごくうまかったんです、野球。…女子にしては。御幸とバッテリーでした。…私、幸せでした。だから…バチが当たったんです…。」

何も、言わなかった。ただ、私たちの間に風が通り過ぎただけだった。夏の暑さがようやく体に染み渡った気がする。

「…ありがとうございました。もう、大丈夫です。…飯もちゃんと食べます。」

口角を少しあげた。監督は私の頭を優しく叩いた。

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設定タグ:ダイヤのA , 御幸一也 , 幼馴染   
作品ジャンル:恋愛
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あーちゃん(プロフ) - 105話、成瀬が倒れた(?)過程がないので、ちょっと分かりにくいです(・・;) (2023年1月20日 23時) (レス) @page44 id: 5c50c73791 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 (2019年7月7日 21時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 咲さん» 続編おめでとうございます!これからも見ます。頑張ってください! (2019年7月7日 20時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 咲さん» 今回も面白かったです!御幸と主人公ちゃん、いつかくっついてほしいですねぇ…これからも頑張ってください! (2019年7月5日 21時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 豪炎寺修也推しさん» ありがとうございます!返信ゆっくりですが、是非続けてみてくださると嬉しいです! (2019年6月29日 20時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年9月16日 17時

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