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「あ…御幸、おはよう。」
御 「…はよ。」
午前7時。ガチャリと開けた部室のドアの外には今からドアを開けようとしていた御幸の姿。焦るわけでもなかったが、この時間帯ならまだだれもいないだろうと思っていたので少し驚いた。
ただそれだけだ。御幸も「入っていい？」と私にいつも通り尋ねる。頷いた私を確認して御幸は出て行く私とすれ違い、部屋に入って行く。
パタリ、と閉じられた扉に少しの違和感も感じなかった。そう、いつも通りのはずー
ほんの少し眉を寄せた自分が情けなかった。何が不満なのだろう。いつもなら悪態の一つでもつかれる、つく、関係だから？いつもならもう一言二言何か会話をするから？いつもならこんなすれ違ったりしないからー？
だめだ。きっと私たちはいつも通りのように感じて、いつも通りじゃないんだ。それが妙に寂しいのだ。
寄せた眉のシワがもっと深くなる前に空を見上げて深呼吸する。最近御幸のことばっかりで日常生活に支障をきたしている気がする。
もう新チームが始動したというのに野球のことしか考えられない自分がいない。この時期はいつも野球のことばっかりなのに。
ため息が思わず漏れそうになる。だけれども、背中越しのドアの向こう側に御幸がいると思ったらため息さえ出なかった。
ーもっとしっかりしなくちゃー
きっと深い意味なんてない、ただ思ったことを御幸は口に出していっただけ。
そう言い聞かせて早足で部室から去る。もう7時30分。そろそろみんながグラウンドに出てきて練習の準備をする時間だろう。
勿論マネージャーの私もやることは山積みなのだから、こんなところで油を売っている暇はない。
気づけば走り出していた。カラカラに乾いた喉と同じようにカラカラに乾いた目。涙が出ないんだからきっとちっとも悲しくなんかない。
ー泣くのはもう、忘れたー
「おじいちゃん！」
叫んだ私の声は届かなかったのだから。
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あーちゃん(プロフ) - 105話、成瀬が倒れた(？)過程がないので、ちょっと分かりにくいです(・・;) (2023年1月20日 23時) (
レス) @page44 id: 5c50c73791 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 (2019年7月7日 21時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 咲さん» 続編おめでとうございます！これからも見ます。頑張ってください！ (2019年7月7日 20時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 咲さん» 今回も面白かったです！御幸と主人公ちゃん、いつかくっついてほしいですねぇ…これからも頑張ってください！ (2019年7月5日 21時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - 豪炎寺修也推しさん» ありがとうございます！返信ゆっくりですが、是非続けてみてくださると嬉しいです！ (2019年6月29日 20時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲 | 作成日時：2016年9月16日 17時
